内容説明
もしかしたら、つらくなってしまうかもしれません。でも、子どもたちのために、どうしても今、知ってほしいのです。
目次
第1章 感情はどのようにして育つのか?(「よい子」に育てたいという願いの中で;感情を育てるということ ほか)
第2章 子どもの「心の問題」はどのようにして生まれるのか?(脳のはたらきと心;「弱さ・脆さ」と「強さ・たくましさ」 ほか)
第3章 学校でみられる子どもたちの危機の姿(幼い子どもたちをどう支援するのか?;子どもたちの荒れすさんだ感情をどう支援するのか? ほか)
第4章 いまから親にできること(たろうくんの場合―まさかうちの子が金魚を殺したりするはずないんです;さえこさんの場合―天使のようなわが子がいじめのボスであるはずないんです ほか)
第5章 大人の義務と責任(「ちゃんと泣ける子」という「よい子」を求めてしまわないために;「無痛文明」と私たちの子育て ほか)
著者等紹介
大河原美以[オオカワラミイ]
東京学芸大学助教授。臨床心理士。1982年東北大学文学部哲学科卒業。児童福祉施設の児童指導員として勤務の後、1993年筑波大学大学院修士課程教育研究科修了。精神科思春期外来、教育センターなどの非常勤相談員を経て、1997年9月より現職。専門は、子どもの心理療法・家族療法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kawai Hideki
98
良書。親の「良い子」に対する期待が強すぎると、子供は家で泣いたり怒ったりする事ができず、ネガティヴな感情を社会化する訓練ができないまま、負のエネルギーを蓄積していく。やがて、親の目を離れた所で問題行動になって現れたり、のっぴきならない所で親に跳ね返って来る、というお話。だから、小さい頃から、子供が泣いたり怒ったりしたら、「悲しいんだね」「悔しいんだね」「苦しいんだね」と、そのまま言語化して受け止め、抱きしめてあげましょう、と説く。その為に、大人も自分の感情を受け入れつつ、子供の感情に寄り添う覚悟が必要。2016/07/15
キラ@道北民
37
高校生の息子があと1年で家を出て働き始める。社会に出て1人で生き抜ける、感情を自分で処理出来る子に育っているだろうか、あと1年で親が出来ることはないだろうかと思い読んでみました。でも、そんな自分の不安から痛みを予防する方法を探すのではなく、困難も一緒に受け入れていこうと覚悟しました。苦しい、悲しい、寂しいというネガティブな感情から逃げず、子離れの覚悟もしようと思いました。2017/02/15
ポテチ
26
親が自身の感情を受け止めらてれないと親にはなれないんだなと思いました。親の精神状態が安心ベースであること。その上で子どもの感情を受け止める。子どもは安心を得られるとのびのび挑戦できる。脆さ、弱さ、解離についての説明がとても納得。トラウマは5つの記憶が統合されると解消する。心とは脳の情報処理のプロセス。とても良い本。2022/02/13
はる
25
子育てや教育に関わる人全てに読んで欲しい本。息子が最近よくイヤイヤするようになってきたんだけど、これは保育園頑張ってるからだよなあ。これは定期的に読み返したいくらいな良本。小学校教育での子どもとかとてもわかりやすい。「感情を言葉化して正しいタイミングで伝える」っていうのは分かっているけど難しいよね。ないてるから叱るんじゃなく、悔しい、もっとやりたいを言語化してそれでも諦めさせることが育児だよなあ。2023/10/11
nico
25
うーん…。事例ではなく、空想で描いた子育て中の父母や教員との対談を通して、「負の感情を言語化し、しっかり受け止めてあげよう」といったメッセージをひたすら語り続けていて、物足りなさを感じた。言ってる内容は府に落ちるのだけれど、もう少しその根拠なり事例なりといった裏付けがほしかったし、そのメッセージは個人的に真新しく感じなくて…。子育て中に何か悩んだり、トラブルを感じたりしたときに読むのがいいかも。2020/06/09