内容説明
ゲーム理論とは、手に入る利益が最大になるような行動を合理的に選ぶための考え方だ。また、相手の行動を考慮しながら、自分の最善の行動は何かを数理的な方法で考える理論である。ゲームとは、いいかげんな遊びではなく、真剣な駆引なのだ。ゲームと呼ばれる状況は、私たちの周囲にあふれている。個人の間だけでなく、会社や家庭や学校をはじめ、どんな社会や国家にも存在し、動物の世界にもある。2005年ノーベル経済学賞や映画『ビューティフル・マインド』でも話題になった注目の理論を、最もわかりやすく紹介した入門書。
目次
第1章 誰もがゲームをしている―ゲームとは何か、なぜ重要なのか
第2章 利得表をマスターする
第3章 囚人のジレンマと協調関係
第4章 社会的ジレンマ―個人の利益と公共の利益
第5章 チキンゲーム
第6章 動物たちはゲームの達人
第7章 聖なる愚か者
著者等紹介
バラシュ,デイヴィッド・P.[バラシュ,デイヴィッドP.][Barash,David P.]
ワシントン大学の心理学教授。動物行動学、社会生物学、進化心理学など、関心と興味の範囲は多岐にわたる。著書も多数あり、本書のように、生物や人間の行動などのテーマを一般向けにやさしく解説するのを得意とする。また、1980年代から平和研究にも力を入れている
桃井緑美子[モモイルミコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
116
ゲーム理論全般についての話が書かれています。経済学的なあるいは理論的な内容を期待した方は期待外れということをいわれるかもしれません。ただ様々な例を通じてこれがゲームの理論だということを理解していくのはいいのではないかという気がします。広い意味でのゲームの理論の本なんでしょうね。2017/01/26
とったん
2
再読。この本を読むと、ついゲーム理論が実社会で役に立つかを考えてしまう。それについてはページを割いて説明されていて、対立の真の目的を明らかにできる、とか、その人が考える利得を推察できる、などは納得できる。ただ、人生はゲームのように結果の発生確率があらかじめ分からないし、何度も繰り返して期待値に近づけることもできないことばかりだ。あら捜しをするより、本質的な部分に役立つことを探す方が有用だろう。純粋に理論として楽しむのも良いと思う。現代人の教養のひとつと言ってもよい良書です。2016/03/24
BETA
1
利得表の簡略化の工夫が良かった。
takashit
1
純粋に囚人のジレンマについて解説。ジレンマのジレンマ・・・ハァハァ2009/05/09
Wosam
1
全ての葛藤は囚人のジレンマで説明できる。2009/03/15