内容説明
チベットには世界中で高く評価されている精神文明が栄えていた一方で、人間社会につきものの悪徳もしっかり栄えており、これこそがまさにチベットの亡国の原因の一つとなったのである。国を失った今もなお権力闘争をやめないチベット人たちが、チベット社会の悪しき側面の現れであるとするならば、国を失ってもなお菩薩行をつらぬき、その民を導き続け、さらにはチベットを弾圧する中国に対しても祈りを捧げるダライ・ラマは、チベット社会の徳高き側面の現れといえよう。今まで語られなかった現代チベット史の光と陰!ダライ・ラマ13世の死から14世の現在までを克明に描く本格的な歴史ノンフィクション。
目次
第1部 一九三三‐三九年(数々の幻視;言葉は泣き、涙は語る ほか)
第2部 一九四〇‐四九年(闇の作用と甘美な夜;一万フィートの闇取引き ほか)
第3部 一九五〇‐六三年(共産主義者の饗宴;赤い群れ ほか)
第4部 一九六四‐二〇〇三年(罰なき嘘と犯罪;死を追いかける生 ほか)
著者等紹介
グラスドルフ,ジル・ヴァン[グラスドルフ,ジルヴァン][Grasdorff,Gilles Van]
フランスのジャーナリスト。宗教や歴史や政治などについてのチベット学の世界的な専門家。ダライ・ラマとの会談を著した本を含めて、チベット関係の著書が12冊ある
鈴木敏弘[スズキトシヒロ]
1944年生まれ。慶応義塾大学大学院修士課程修了。仏文学専攻。中沢新一『チベットのモーツァルト』(せりか書房)の仏訳に携わる。現在、日蓮宗浄心寺院代
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感想・レビュー
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Yoshiki Ehara
CCC
tkm66