内容説明
家庭の崩壊は資源の欠乏から。イギリスの女性人類学者が家庭問題を「資源」という新しい角度から捉え直し、考えた刮目すべき論考。
目次
第1章 インナーシティというところ
第2章 資源系としての家庭
第3章 家庭のプロセスを解明する
第4章 二つの片親家庭
第5章 二つの西インド諸島出身の家庭
第6章 二つの再婚家庭
第7章 二つの典型的なイギリス人の家庭
第8章 インナーシティの生活
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひつまぶし
2
流し読み。時間・情報・アイデンティティという三つの資源に注目してロンドンのインナーシティの8家庭の実態を明らかにしているということなのだろうが、何のためにそうしたのかよく分からなかった。調査・分析の枠組みの解説が細かいわりにデータは記述ベースで、各家庭の「多様性を示した」以上の知見がないように思える。対象としたバタシー地域については前著があるようなので、その補論的な位置づけなのかもしれない。やけに肩肘張った語り口は「人類学には社会学のような都市研究すら十分可能なのだ」と言いたいだけのように感じられ疲れた。2025/06/29