内容説明
いまと対峙するプロフェッショナル。まつろわぬ、その矜持に訊く。戦争、歴史、マイノリティ、芸能、文学、ジャーナリズム…最前線で闘う9人の肉声。
目次
第1章 李琴峰―負の歴史を記録するということ
第2章 中島岳志―「永遠の微調整」としての保守をよみがえらせる
第3章 松尾貴史―批評性のある面白おかしい芸能へ
第4章 国谷裕子―権力に対峙するジャーナリズム
第5章 指宿昭一―ウィシュマさんを殺害した国家の欺瞞
第6章 奈倉有里―世界には決定的に文学が不足している
第7章 斎藤幸平―資本主義でない世界を徹底して考える
第8章 栗原俊雄―戦後補償問題を報道=運動する
第9章 金英丸―日韓関係において真の謝罪とは何か
著者等紹介
青木理[アオキオサム]
1966年生まれ。共同通信記者を経て、フリーのジャーナリスト、ノンフィクション作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
105
対談本と言うと安直な編集の駄本が多いが、これはいい。登場する9人の信念に満ちた発言に多くのことを教えられるが、それは、聞き手の青木理さんの功績でもある。国谷裕子さんが「インタビューは質問が大事(問題の所在はどこか、本質は何か、何が隠されているか)」と語っているが、正にその通り。中島岳志先生の「保守リベラル」、外国人問題・入管問題に弁護士人生を捧げる指宿昭一先生、隣国の橋渡しに心を砕く李琴峰さん(日台)、金英丸さん(日韓)の思い、遺骨収集を通じて国を見つめる栗原俊雄さん……素晴らしい人たちの姿に鼓舞される。2024/04/23
たまきら
37
この間もジブリの月刊誌から出版された本を読みましたが、この本もそちらでの連載をまとめたものだそうです。この雑誌気になる…。対談系の文章はすごく苦手なのですが、対談相手が面白くて頑張って読みました。どの回も面白かったですが、松尾貴史さん、国谷裕子さん、斎藤幸平さんの回が特に面白かったです。どこかで読めるかなあ…この雑誌、と思ってたら、やだ!うちの図書館購買してくれてる~!2024/06/23
kawa
25
ジャーナリスト青木理氏と「時代の先端で抗う」9人のキーパソンとの対談集。中島岳志、国谷裕子、斎藤幸平の三方は各著作の一部を読了済みで既知だった。が、中島氏が新進気鋭の保守の論客だとは迂闊にも初知り。「人間は必ず間違いを犯す」存在として認識し「永遠の微調整」の繰り返しが「保守の立場」には、知的好奇心を刺激され本書でベストな対談。外国人労働者の人権救済に奔走する弁護士の指宿昭一氏、ロシア文学者の名倉百合さん、太平洋戦戦没者の遺骨取集活動にこだわる毎日新聞記者の栗原俊雄氏も印象的で、読みたい本登録もいくつか。2024/06/09
ふう
22
今年のベスト10入り。松尾貴史さん、国谷裕子さん、斎藤幸平さんをはじめ、どの対談もグイグイと惹きつける面白さと深さに満ちている。『彼岸花が咲く島』の李琴峰さん、『リスクと価値のマトリクス』の中島岳志さん、今我々が置かれている状況をどう読むかの手掛かりを得た思いで充実した読書だった。残念、スタジオジブリの月刊『熱風』地元図書館には入ってない😢2024/07/07
たらお
20
中島岳士の話から、「そうか、今の選挙制度では、政権を担うためには、主流政党が小政党とどう連立を組むかを考えないといけない。そうなると、野党が政権を担うとなると・・・」とか、毎日新聞記者栗原俊雄の硫黄島の遺骨収集話から日本とアメリカの遺族を遇する考えへの違いを知ったり、元徴用工問題をあえて韓国人の平和活動家の金英丸から聞き、日韓互いの思惑を知ったりと、多様な立場の人たちからインタビューしており、新聞やニュースでのメディアでは報道されない隠された因果関係を知ることができる1冊。2024/09/19
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