内容説明
日本人は仏教をどう信じてきたのか。さまざまなかたちで仏の道を探しつづけた希有にして人間的な十八の軌跡。小説家によるいままでになかった仏教読み物。
著者等紹介
小嵐九八郎[コアラシクハチロウ]
1944年秋田県生まれ。『刑務所ものがたり』で第16回吉川英治文学新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちゅう
4
歴史上の僧侶たちが、苦しみながら仏の道を歩む姿が描かれている。高いところにいる僧ではなく、身近に、そばにいる僧たちで、話がわかりやすいと言いたいところだけれど、方言や作者の書き方にクセがあって、読みづらかった。2020/02/19
マウンテンゴリラ
2
思想、教義、哲学的な視点から仏教を捉える書物にも味わいがあるが、それとはひと味違って、歴史上の僧侶、仏教者が実践としてどの様に仏教の教えを体現したかを、壮絶な生きざまと共に描いた傑作であると感じた。このように現在の日本人の生活からは、想像すら困難な激しくも悲しい生の実態と、それをただ嘆くのではなく、従容として、あるいは、自らすすんで受け入れようとする人達がかつての日本にはいたのだろうと、単なるフィクションとしてではなく、事実として確信させるほど説得力のある物語であった。→(2)2015/09/28