内容説明
出雲大社は壮大なカラクリなのか?神話の中に隠された古代史最大の謎とは何か?古代史研究の異才が謎多き出雲神話の実像に大胆な推理と分析で鋭く迫る!
目次
第一章 出雲大社と出雲国造家の謎(なぜ邪悪な出雲神を日本人は愛してきたのか;悪い出雲神と祟りをもたらす優しい出雲神 ほか)
第二章 ヤマト建国と出雲の歴史(何もないと思われていた出雲から大量の青銅器がみつかった;出雲に強い王が出現していた ほか)
第三章 なぜ出雲の神々がヤマトで祀られるのか(なぜヤマトに出雲神が集まったのか;『出雲国造神賀詞』に登場する四柱の神々 ほか)
第四章 仲哀天皇の悲劇(アジスキタカヒコネはちょい役なのに大御神;天稚彦の悲劇 ほか)
第五章 出雲神話の真実(なぜ大己貴神は全権を事代主神に委ねたのか;「カモ」だらけの葛城 ほか)
著者等紹介
関裕二[セキユウジ]
1959年、千葉県柏市生まれ、育ちは東京都板橋区。歴史作家。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャル・アカデミック・フェロー。仏教美術に魅了され、奈良に通いつめたことをきっかけに日本古代史を研究。以後、古代をテーマに意欲的な執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
2
出雲神は「祟る神=力のある神」として畏敬の対象だった 出雲大社は、そのアリバイ作りのための「仕掛け」としての意味合いを持つ 出雲神たちは祟る神・疫病神・死の神という側面を持ち、ヤマト政権はこれを畏れて祀らざるを得なかった 出雲は何もなかったとする従来の歴史像を否定し、出雲こそがヤマト建国に至る古代政治史のもう一つの中核であった 出雲の神はもっとも怖ろしいが、だからこそ尊い神という観念がある 大国主神が事代主神に全権を委ねた背景には、権力の交代や組織的な権限の移譲がある 神話は実際の支配権争いを反映している2025/04/03