出版社内容情報
出版文化が花開いた江戸時代。ありとあらゆる「役立つ本」が作られた。人気を博した絵入り実用書の数々をビジュアルたっぷりに紹介。
内容説明
江戸の文化は多彩で、自由、美容書の超ロングセラー『都風俗化粧伝』、小袖の最新デザイン集『雛形都風俗』、日本初の絵入り百科事典『訓蒙図彙』、今見ても楽しい商店ガイド『江戸買物独案内』、雪国の情報あれこれ『北越雪譜』、歌舞伎通の愛読書『役者紋二色』、金魚の飼育書『金魚養玩草』、手妻(日本式手品)の伝授本『放下筌』、ひたすら漬物の漬け方『四季漬物塩嘉言』…。これぞ江戸の教養庶民の知識の万華鏡!見て愉しい!読んでなるほど!江戸絵入り版本のワンダーランド。
目次
『都風俗化粧伝』
『雛形都風俗』
『新形小紋帳』
『今様櫛〓(きん)雛形』
『手拭合』
『小紋雅話』
『江戸買物独案内』
『熱海温泉図彙』
『日用助食 竈の賑ひ』
『四季漬物塩嘉言』〔ほか〕
著者等紹介
深光富士男[フカミツフジオ]
1956年、山口県生まれ島根県出雲市育ち。日本文化歴史研究家。光文社雑誌記者などを経て、1984年に編集制作会社プランナッツを設立。現在は歴史や文化に主軸をおいたノンフィクション系図書の著者として、取材・執筆を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
97
美容、ファッション、料理、観光、百科事典など日本の出版界が手掛けてきた実用本は、すべて江戸時代に淵源があった。いずれも詳細な絵入りで理解を助け、1冊あれば遠隔地の現状や流行を素早く知ることができた。解体新書や大和本草のような翻訳書も受け入れられ、武鑑は現在の紳士録に継承された。当時の日本人にはネットの発明に匹敵する情報革命だったはずで、こうした本が広く出回ったのも「徳川の平和」による社会の安定と識字率の向上あればこそなのがわかる。キリスト教の桎梏に囚われていた同時代の欧州に比べ、自由の息吹が聞こえてくる。2022/07/31
ネギっ子gen
39
【錦絵にはない、板本から立ち上がってくる江戸時代のリアル】江戸の板本をテーマとした図説シリーズの3冊目。幕府の度重なる出版統制の荒波を搔い潜り、大衆向けの売れ線を開拓し活況を呈した、江戸時代の出版界。その中で、実用書の世界は――。110年にわたり増摺された『都風俗化粧伝』は、化粧から肌トラブルの解消法、身嗜みまでを指南。『雛形都風俗』は、最新小袖デザインのファッションブック。『江戸買物独案内』は、江戸の商店ガイド。『金魚養玩草』は日本初の金魚の飼育書。『役者紋二色(役者評判記)』などなど。実に面白し。⇒2022/05/17
takao
2
ふむ2022/09/01
kaz
2
江戸時代の生活・風俗がビビッドによくわかる。図書館の内容紹介は『出版文化が花開いた江戸時代。美容書、図案集、買物案内から百科事典まで、ありとあらゆる「役立つ本」が作られた。当時の読者に頼りにされた絵入り教養書・実用書の数々をビジュアルたっぷりに紹介する』。2022/07/15
skr-shower
2
江戸は現代と地続きだなと感じる。美容本にレシピ本、観光案内。色刷りも有り、楽しんで読んでいただろうと思う。2022/05/31