出版社内容情報
おんじはスイス傭兵だった――子供の頃に夢中になったアルプスの物語に隠された意外な真実。背景から読み解く近代ヨーロッパ。
内容説明
白パンと黒パン、干し草のベッド、ヤギのミルク、チーズ料理、フランクフルトへの旅、クララの病―子供の頃に夢中になったアルプスの物語には、意外な真実が隠されていた。原作に潜む19世紀ヨーロッパの光と影を読み解く。
目次
1 日本にやってきた『ハイジ』
2 おじいさんの履歴―スイス傭兵制
3 ペーターのお駄賃―スイス・コインの歴史
4 「ハイジは習ったことを使うことができる」―一九世紀スイスの教育事情
5 ハイジの白パン―スイスの食糧事情
6 フランクフルトへの道―スイス鉄道の歴史
7 転換性障害と夢遊病―クララ、ハイジの病とアルプスへの郷愁
8 温泉大国スイス―療養と快楽
9 お日さまの歌―賛美歌をめぐって
10 『ハイジ』は盗作か―『ハイジ』の剽窃問題
著者等紹介
森田安一[モリタヤスカズ]
日本女子大学名誉教授。1940年、東京・新宿生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業、同大学院人文科学研究科西洋史学専攻博士課程中退。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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湖都
12
ハイジの原作本を元に当時の背景を描く、易しい論文調の本。ハイジに少しでも関わりのあるテーマを拾って背景を大きく論ずるので、アニメのハイジしか知らない身には「それハイジと関係ある?」と興味が離れる章がしばしばあったのが残念。最後は『吾輩は猫である』まで出てきたしな…。しかし、おじいさんが傭兵であったこと、ハイジの夢遊病やクララが歩けなかった謎は面白く読んだ。ハイジの小説を読んでいたらまた違った感想になったかもしれない。2020/10/10
りらこ
0
その頃の、スイス、の状況。世界史嫌いだったんだよなー、ってな事を思い出すほど、ハイジっていうよりスイス、ドイツ史っぽくて。そこまで小難しいわけではないけど。ヤギの乳、白パン、チーズの話は面白かった。ただ、私はつくづくアニメハイジが好きだったんだと、確認できた。子供の頃本も読んだハズだか、あまり記憶にないしね。2019/07/15