出版社内容情報
吉原、江戸四宿(品川、新宿、千住、板橋)から、岡場所、夜鷹、舟饅頭、比丘尼まで、江戸の性愛の実態。図版多数。
永井 義男[ナガイ ヨシオ]
1949年生まれ。作家、風俗・春画研究家。『算学奇人伝』で開高健賞受賞。
内容説明
花魁から夜鷹まで、遊女大全!遊里は、吉原だけではない。江戸四宿(品川、千住、内藤新宿、板橋)から岡場所、夜鷹、地獄、舟饅頭、比丘尼、芸者…まで、当時の文献を渉猟し、性愛の実態を描く。図版多数。
目次
第1章 江戸は売春天国だった
第2章 吉原―公娼(一)
第3章 江戸四宿―公娼(二)
第4章 岡場所―私娼(一)
第5章 夜鷹、芸者など―私娼(二)
第6章 外国人の見た日本の売春
著者等紹介
永井義男[ナガイヨシオ]
1949年生まれ。1997年、『算学奇人伝』で第六回開高健賞を受賞し、本格的な作家活動に入り、現在では、江戸風俗や春画の第一人者の一人でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HMax
28
「はじめ」にでタイトルに売春を入れた理由を説明。吉原の遊女は売春婦である。当時は世界のどこでも貧乏人の子供は売られる世の中、日本が欧米と唯一異なる点は宗教によって売春が悪とされなかったこと。江戸時代、売春は合法であり、北町奉行に家族への孝養・慈愛を褒められ銀三枚を頂戴した遊女がいるほどに認められた職業であった。一発あたれば大きいが年季明けまでに亡くなることも少なくない過酷な職業であることも事実。小ネタ満載の一冊。紀伊国屋文左衛門が一分銀(約25,000円)で豆まき。遊女・幇間・芸者二人で一泊90万円。2025/05/05
逍遥遊
6
227-20161214-10 特に新しい情報は得られなかった。ただ、本当に庶民の生活に売春が普通に受け入れられていたのだろうか?それだけ男性社会だったといえば、理解出来なくもないが、女性はそんな男性の行為をどう思っていたのか疑問です。また、江戸時代は娯楽がなかったから売春云々という理論構成となっていたが、女性の娯楽については全く触れられておらず、正直納得しかねる。2016/12/14
ankowakoshian11
2
読了。こちらも興味深い。華やかさではなく、職業と当時の風俗、市井の価値観をざっくり知ることが出来る。2025/04/25
チョビ
2
【読メ遊郭部自主トレ中田翔選手レベル】別にヤ○ザな本ではござらぬよ。研究者ではなく作家さんの本なので、結論はまだ「だと思う」という部分は多いです。この手の本は「吉原」といったいわゆる著名な高級遊廓の研究で一般には閉じられていたと思いますが、この本は岡場所から夜鷹、その他ナント「あんな身分」の方とか、「こんな方々」まで売春していたなど、驚きの数々(マニアとか必要悪なわけですね)が中田選手の本塁打のごとくぽんぽん出てきてびっくり。あくまで課題本ではないのが残念です。2016/12/23
hideko
1
江戸の懐の深さと大らかさ。正しさは一つではないね。2018/02/03