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内容説明
ユダヤ人虐殺の証人として映画『ショアー』にも出演したポーランド人カルスキの苦悩を描く衝撃の作品。カルスキは密使として、ユダヤ人絶滅政策の恐るべき実態を伝え、「世界の良心」を喚起して虐殺を止めさせようと連合国を訪れるが、大国の首脳陣は彼の言葉に耳を貸そうともしなかった。「民主主義の自由世界」は共犯者なのだ、人類の怠慢、無知、無関心が悲劇を生んだのだというカルスキの悲痛な叫びを、エネルは第一部・第二部をノンフィクション、第三部をフィクションという独創的な手法でリアルに描き出す。アンテラリエ賞、フナック賞受賞。
著者等紹介
エネル,ヤニック[エネル,ヤニック][Haenel,Yannick]
1967年、フランスのレンヌ市生まれ。国立プリタネ軍学校出身。フランス語の教師を経て文筆活動に入り、1996年、処女小説を発表。1997年に創始した文芸誌“Ligne de risque”を編集しながら、数冊の小説を出版する。長編小説“Cercle”(2007年)で十二月賞とロジェ・ニミエ賞を受賞。『ユダヤ人大虐殺の証人ヤン・カルスキ』は2009年度アンテラリエ賞およびフナック賞を受賞する
飛幡祐規[タカハタユウキ]
1956年、東京都生まれ。文筆家・翻訳家。74年渡仏。パリ第五・第三大学で文化人類学、タイ語など専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
ふむ2020/12/17
tomcot
1
第一部に出てくるクロード・ランズマン『ショアー』のインタビューについては、実際に映画も観るべきだが、第二部カルスキの回想録をまとめた部分は、原典へのアクセスが難しい日本では、読むに値する内容が十分ある。第三部のルーズベルトとの対話部分は、現実をゆがめているとランズマンから批判され、激しい論争となった。邦訳では注釈も豊富で、学ぶところが多かった。2012/04/04
almondeyed
0
ヤン・カルスキが、レンブラントの『ポーランドの騎手』に自らの境遇を重ねあわせるところが印象に残った。1枚の絵画は、見る人にいろいろなものを与える。またはその人の想いを重ね合わせることが出来る。そのような強い力を持っている。マンハッタンまで行って、フリック・コレクションを見たくなった。2014/11/07