その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか

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その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか

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  • サイズ A5判/ページ数 216p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309209142
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

「地獄は天国の裏にある。」
祖国ルーマニアの圧政を逃れ、サーカス団を転々としながら放浪生活を送る、一家の末っ子であるわたし。ピエロの父さんに叩かれながら、曲芸師の母さんが演技中に転落死してしまうのではないかといつも心配している。そんな時に姉さんが話してくれるのが、「おかゆのなかで煮えている子ども」のメルヒェン。やがて優しいシュナイダーおじさんがやってきて、わたしと姉さんは山奥の施設へと連れて行かれるのだったが――。
世界16カ国で翻訳、伝説の作家が唯一残した自伝的傑作が、ついに邦訳!
ドイツ文学史上最も強烈な個性。ーー南ドイツ新聞
まさに綱渡り芸を、息をのんで下から見守っているかのよう。ーーペーター・ビクセル
◎アグラヤ・ヴェテラニー(Aglaja Veteranyi)
1962年、ルーマニアの首都ブカレストでサーカス家庭に生まれる。67年に亡命し、77年にスイスのチューリヒに定住するまで、サーカス興行のために各地をめぐる生活を送る。定住後にドイツ語を学び、俳優として活躍するほか、実験的文学グループ「Die Wortpumpe」を共同で設立し、新聞や雑誌に多数の記事を寄稿。1998年にベルリン文学コロキウムの助成金を受ける。1999年に初小説『その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか』を出版し、シャミッソー賞奨励賞、ベルリン芸術賞奨励賞を受賞。2002年2月の早朝にチューリヒ湖で自死。
◎松永美穂(まつなが・みほ)
ドイツ文学者・翻訳家。早稲田大学文学学術院教授。シュリンク『朗読者』で毎日出版文化賞特別賞受賞。他の訳書にシュピリ『アルプスの少女ハイジ』、ヘッセ『車輪の下で』、バッハマン『三十歳』、シュテファン『才女の運命』、ティム『ぼくの兄の場合』、シュタム『誰もいないホテルで』等。著書に『世界中の翻訳者に愛される場所』等。

内容説明

祖国ルーマニアの圧政を逃れ、サーカス団を転々としながら放浪生活を送る、一家の末っ子であるわたし。ピエロの父さんに叩かれながら、曲芸師の母さんが演技中に転落死してしまうのではないかといつも心配している。そんな時に姉さんが話してくれるのが、「おかゆのなかで煮えている子ども」のメルヒェン。やがて優しいシュナイダーおじさんがやってきて、わたしと姉さんは山奥の施設へと連れて行かれるのだったが―。世界16カ国で翻訳、奇蹟の傑作がついに邦訳!シャミッソー賞・ベルリン芸術賞受賞作。

著者等紹介

ヴェテラニー,アグラヤ[ヴェテラニー,アグラヤ] [Veteranyi,Aglaja]
1962年、ルーマニアの首都ブカレストでサーカス家庭に生まれる。67年に亡命し、77年にスイスのチューリヒに定住するまで、サーカス興行のために各地をめぐる生活を送る。定住後にドイツ語を学び、俳優として活躍するほか、実験的文学グループ「Die Wortpumpe」を共同で設立し、新聞や雑誌に多数の記事を寄稿。1998年にベルリン文学コロキウムの助成金を受ける。1999年に初小説『その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか』を出版し、シャミッソー賞奨励賞、ベルリン芸術賞奨励賞を受賞。2002年2月の早朝に自死

松永美穂[マツナガミホ]
ドイツ文学者・翻訳家。早稲田大学文学学術院教授。シュリンク『朗読者』で毎日出版文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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buchipanda3

87
「父さんの母語は、ピーマンと一緒にクリームで煮たベーコンみたいに響く」。幼少時、独裁政権から逃れたルーマニア出身作家の自伝的小説。題名からして独特な響きがある。可笑しみと残忍さが混ざり合う寓話的な味わい。本篇でも童心のような語りの妙味ある言葉遣いに思わずくすぐられるが、それは大人の都合に振り回され、不安感に苛まれることから逃れるための叫びに見えて心を傷めた。年齢が上がるにつれ、彼女が受ける非道さが風刺を越えて現実の度合いが強まる。苛酷さから守った民話は終わりを告げたのか。映画の場面と幸せの想いを重ねた。2024/11/25

ヘラジカ

40
無垢なる少女の生のままの文章が、猥雑でグロテスクな大人の世界を鮮烈に映し出す。幼さのヴェールを通して見る現実は、時に誇張され、時に薄靄に包まれて語られるが、だからこそ悍ましき世界の核を捉えた「真実」を表していると感じる。俳優である父親や曲芸師である母親、それを取り巻く欲を剥きだした人々のエピソードによって、強烈なイメージが頭に焼き付く衝撃作であった。この恐ろしい才能を持った作家が夭折しているのは残念でならない。2024/10/06

おだまん

10
胸が痛くなるような自伝的小説。環境に歪められていく子どもの悲痛な叫び。きもちはよくないけれどこの体感から逃げてはいけないとも思う。2024/12/01

オズ

10
ルーマニア、チャウシェスク、難民、サーカスの子ども、聖なるヨハンナ。 「天使は長いこと外の空気にあたっているから、いつも赤いほっぺたをしている」 白いレースのワンピース、白いハイソックス、黒いエナメルの靴を身につけた守護天使。2024/11/17

rinakko

10
ルーマニアのサーカス一家に生まれた(後に両親と西側に亡命)著者の自伝的作品。エクソフォニー作品でもある。これが自伝か…と幾度も慄いた。アクロバット芸人である語り手の母親は、髪の毛だけでサーカス小屋の天井からぶら下がる。そのことが何度も出てきて、こんなに強い不安にいつも晒されていなければならない女の子の心はどうなってしまうだろう…と辛くなった。そして、不条理な世界の大きな皺寄せが無力な少女の身を襲って呑み込んでいく(例えば、大人たちの食い物にされるような)話を読む度に、胸が痛いと同時に憤りがフレッシュに湧く2024/10/01

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