とるに足りない細部

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とるに足りない細部

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  • サイズ 46判/ページ数 168p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309209098
  • NDC分類 929.763
  • Cコード C0097

出版社内容情報

1949年8月、ナクバ(大災厄)渦中のパレスチナ/イスラエルで起きたレイプ殺人と、現代でその痕跡を辿るパレスチナ人女性。二つの時代における極限状況下の〈日常〉を抉る傑作中篇。
この作品の「細部」に宿っているものは、私の精神世界を激しく揺さぶり、皮膚の内側を震えさせる。この本の中の言葉の粒子に引き摺り込まれ、永遠に忘れられない体験になり今も私を切り刻んでいる。
――村田沙耶香氏(作家)
かき消された声、かき消された瞬間と共にあるために、この小説は血を流している。
――西加奈子氏(作家)
*2023年、本作はドイツの文学賞であるリベラトゥール賞を受賞。しかし同年10月、イスラエルによるガザへの攻撃が激化するなか、フランクフルト・ブックフェアで開催予定だった授賞式は同賞の主催団体リトプロムによって中止され、ブックフェアは「イスラエル側に完全に連帯する」との声明を出した。この決定に対しては、作家や出版関係者を中心に、世界中から抗議の声が上がっている。

内容説明

1949年に起きたイスラエル軍によるベドウィン少女のレイプ殺人と、秘匿されてきたその事件の真実を追い求めるパレスチナ人女性。現代パレスチナ文学の旗手が描出する、けたたましい沈黙と張り詰めた不在の物語。

著者等紹介

シブリー,アダニーヤ[シブリー,アダニーヤ] [Shibli,Adania]
1974年、パレスチナ生まれ。イースト・ロンドン大学にてメディア・文化研究の博士号を取得し、現在はエルサレムとベルリンを拠点に小説、戯曲、エッセイなどの創作をおこなう。2009年、39歳以下の有望なアラブ作家39名を選出する「ベイルート39」に名を連ねる。本作『とるに足りない細部』は2017年にアラビア語で発表されたのち各国語に翻訳され、全米図書賞翻訳部門最終候補(2020年)、国際ブッカー賞候補(2021年)になるなど高く評価された

山本薫[ヤマモトカオル]
1968年生まれ。アラブ文学研究者。博士(文学)。慶應義塾大学総合政策学部准教授。パレスチナやエジプトを中心に、文学・音楽・映画など、アラブ圏の文化・芸術について研究・紹介をおこなう。2014~15年には、最も注目されるアラビア語小説の国際的な賞(International Prize for Arabic Fiction)の審査員を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

76
灼熱の砂漠でサソリに刺され疲労と体調の悪化が思考を鈍らせる。敵が潜んでいる極度の緊張も。神話世界で描かれる愚かな人間のように導かれ将校はオアシスで休憩していた遊牧民家族をラクダもろとも銃の暴発のように一瞬で殺す。生き残った少女の「処置」に困り宿営地に連れ帰る。夜ごとベッドがギシギシ鳴る音が砂漠の闇に広がる。それは強い文明が弱い文明を飲み込む音。私には、じわじわ蹂躙される命の声に聴こえた。遊牧民の死ごとき、イスラエル建国という大義の前に些細な出来事でしかない。少女は狼の群れに放り込まれた羊。詩のような世界。2024/09/05

pohcho

57
1949年に起きたイスラエル部隊によるベドウィン少女のレイプ殺人。2000年代になって些細な理由から事件に興味を持ったパレスチナ人女性は、身分を偽ってイスラエル領内に潜入。地上から消されてしまったパレスチナの現実を目の当たりにしながら、ついに事件の起きた場所にたどりつくのだが・・。150頁ほどの短い小説だが、終始息詰まるような緊迫感。今は更に酷い状況だが、20年前ですらパレスチナの人々がどれだけ不便な生活を強いられていたのかがよくわかる。そして、ベドウィンの少女の言葉は永遠に誰も聞くことができないのだ。 2024/09/20

ヘラジカ

48
第一部にも少なからぬダメージを受けたが、第二部は更に衝撃的で、”小品”と言って差し支えないような長さの作品であるにも拘わらず、読み終えたときに受けた傷は尋常でなかった。過度に感情が篭められていない淡々した文体は、透き通るように濁りがなく幻想性すら備えている。しかし、描かれている内容は迫真的であり、それだけに残虐の現実は一層際立っていて痛切極まりない。あっという間に過ぎ去った読書なのに何度も反芻してしまう凄まじい作品だ。こういう小説を読むと当然今のガザを思い浮かべざるを得ないし、現実に心が蝕まれそうになる。2024/08/25

ベル@bell-zou

33
灼熱のネゲブ砂漠。起床、偵察、休息。刻まれるイスラエル将校のルーティン。化膿する脚。黒く濁る視界。暑さと痛みとが彼の精神を壊していく。少女の血が砂に吸い込まれていくよりもゆっくりと。1949年の事件。その少女の声なき声に囚われるパレスチナ女性。ただあの日が自分の誕生日と同じという理由で。爆風で割れる職場の窓ガラス。サイレンと砲撃音。借りた許可証、他人のレンタカー。重ねたイスラエルの地図で消える幾数の村々。緊張の検問。ふとした瞬間に心臓から頭へ駆け抜ける危険信号。この張り詰めた細部の連続が彼らの日常とは。2024/08/31

かふ

25
パレスチナ文学。ナクバ(イスラエルの入植の歴史)の中の事件をレイプ少女の記憶とイスラエル人の入植を警備する兵士の中で起きた事件。印象的なのは毒蜘蛛に刺されたイスラエル兵はそれを叩き潰すのは当然の法だと考えているのだ。現在のイスラエル社会での管理(法)世界は少女には異質に思えるがレイプ犯が当たり前のように法で守れる社会であった。この問題はイスラエルだけではなく世界を覆っているのだろうか?https://note.com/aoyadokari/n/nd0ba63e6e8ef2025/04/06

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