内容説明
20世紀初頭の南アフリカ。異人種間の結婚や性交が禁じられていた時代。白人と褐色の肌の人々が生きる隔絶された空間で事態は推移する。石と太陽で造られた屋敷の仄暗い廊下では、昼も夜も時計が時を刻む。孤独で不美人な未婚の娘マグダ、農場を支配する厳格な父、使用人ヘンドリックと美しく幼い花嫁、不在の兄。肩の上に一気に手斧が振りあげられ、ライフル銃の薬莢が足元で音を立てる。やがて屋敷の秩序は失われ、暴力と欲望が結びつく…。ノーベル賞作家が、検閲の網をかいくぐり、植民地社会の歴史と制度への批判をこめて織りあげた幻視的長篇。新訳決定版!!!
著者等紹介
クッツェー,J.M.[クッツェー,J.M.] [Coetzee,J.M.]
1940年、ケープタウン生まれ。ケープタウン大学卒業後、イギリスとアメリカで約10年暮らしたのち、ケープタウン大学で教えながら次々と作品を発表。初小説『ダスクランズ』を皮切りに、南部アフリカや、ヨーロッパと植民地の歴史を遡及する、意表をつく、寓意性に富んだ作品で南アのCNA賞、フランスのフェミナ賞ほか、世界的な文学賞を数多く受賞。83年『マイケル・K』、99年『恥辱』で英国のブッカー賞史上初のダブル受賞。2003年にノーベル文学賞受賞。2002年から南オーストラリアのアデレード郊外に住み、2015年から3年間アルゼンチンを拠点に「北」を介さない「南の文学」を提唱して、トランスローカルな文学共同体の形成を試みる。2018年の『モラルの話』から覇権英語に抗して自作をまずスペイン語で発表するようになる
くぼたのぞみ[クボタノゾミ]
1950年、北海道生まれ。翻訳家・詩人。著書に『J・M・クッツェーと真実』(読売文学賞)、訳書など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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