世界を回せ〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 274p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309206233
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

1974年夏。ニューヨーク。ブロンクスのスラムに生きる娼婦たち、彼女たちに命がけで尽くす修道士、ベトナム戦争で息子を亡くした母親たち―だれもが喪失と死に彩られた悲しみの日々に一筋の光を見出そうと懸命に生きていた。全米図書賞・国際IMPACダブリン文学賞受賞作。

著者等紹介

マッキャン,コラム[マッキャン,コラム] [McCann,Colum]
1965年、ダブリン生まれ。アイルランドでジャーナリストとして出発した後アメリカに移り、テキサスで児童を対象にネイチャー・ガイドの仕事に就く。テキサス大学で学士号を取得。1992年から1年半ほど、妻のアリソンとともに北九州市に滞在。1994年にアメリカに戻り、以降は創作に専念する。本書『世界を回せ』は2009年度全米図書賞を受賞、2011年には国際IMPACダブリン文学賞を受賞する

小山太一[コヤマタイチ]
1974年、京都市生まれ。東京大学、ケント大学(英国)に学ぶ。現在、専修大学准教授

宮本朋子[ミヤモトトモコ]
1972年、北九州市生まれ。九州大学、ケント大学(英国)に学ぶ。現在、東京工業大学その他で兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けい

54
貿易センタービルに渡されたワイヤーを渡る男の関わる名も知られない人々の日常を描き出す物語の下巻。時間を前後させながら物語をより深く追求していきます。微妙なリンクを重ねながら、厚みを増していく物語と描き出す社会の問題点の深さ、過ぎていく日常。何でもない日常の中で暮していく人々が世界を回しているってことなんだろう。2013/10/12

bianca

49
WTCのツインタワーにワイヤーを渡し地上400mを綱渡りする男を見守る人々…上巻での繋がりはただそれだけだった。歴史に無関心で、変化を許容し、一日更新の今を生きるNYらしいとも言える光景。多種多様な人々。日常に垣間見えるヒエラルキー。大きな悲しみの対極にある人との繋がりという幸福。強烈な愛の言葉が溢れ、人間の想いの強さ、生きる底力に圧倒されるよう。空から見下ろすと個々人はちっぽけながら世界を回し、時代を紡いでいるのだ。9.11以降も大きな生命体の様なこの街は力を失わず前進しているというメッセージにも思えた2014/07/16

ヘラジカ

36
この途方もない世界を回している大部分は卑小な人々で、踏みつけにされて顧みられることはなくとも重要な役割を担っている。”社会の歯車”という言葉を考えずにはいられない。しがない人々の人生が重なりあって紡がれる鮮やかなドラマにとても魅了された。痛切な悲劇が当たり前のように散在するこの世の中にあっても、前向きに生きて巨大な世界を回すのはそれほど悪いことだと思えなくなった。「悲しむ価値があるのは、人生の美しさが時としてこの世界に入りきらないことだけだ。」傑作。2025/01/06

Yuna Ioki☆

35
1632-63-4 タイトルが表しているのは強引に世界を回すのではなく、色んな人達がいて色んな人生があって色んな出来事があって世界は回っているんだよということなのかもしれない。2017/06/03

かんやん

32
売春婦から判事、スラムから高級住宅街、西海岸のハッカー文化に刑務所…。そういえば、全体小説なんて言葉があった。百十階を綱渡りする大道芸人を想うと、胸のうちがシーンとなって頭を垂れるような気持ちになるし、その様子を電話でレポートする会話や、孤独な訓練の描写は素晴らしいのに、全体的に感傷過多のベタベタした文章がウンザリする程続き、表現がポエムに蝕まれている。戦争、貧困、難病、差別、死…この世に不幸がある限り、ベトつく感傷と「詩」的な文章でいくらでも物語を紡げる作家なんだろうなあ。2021/09/25

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