ハイファに戻って 太陽の男たち (新装新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309205182
  • NDC分類 929.763
  • Cコード C0097

内容説明

パレスチナの終わることなき悲劇にむきあうための原点。20年ぶりに再会した親子の中にパレスチナ/イスラエルの苦悩を凝縮させた「ハイファに戻って」、密入国を試みる難民たちのおそるべき末路に時代の運命を象徴させた「太陽の男たち」など、パレスチナ抵抗運動の中心で闘い自動車爆弾によって夭折した作家がのこした、世界文学史上に不滅の光を放つ名作群、待望の復刊。

著者等紹介

カナファーニー,ガッサーン[カナファーニー,ガッサーン][Kanafany,Gassan]
1936年、パレスチナの地中海岸の都市アッカーに生まれる。1948年、12歳のときデイルヤーシン村虐殺事件によって難民となり、シリアの首都ダマスカスの難民キャンプで暮らす。55年ころより政治活動にはいり、60年ベイルートに渡る。その後、PFLP(パレスチナ解放人民戦線)のスポークスマンとしてパレスチナ抵抗運動で重要な役割を果たす。活動のかたわら小説、戯曲を執筆。72年7月、自動車に仕掛けられた爆弾により暗殺される。享年36歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ごじ

18
嫌われることを承知で敢えてフェミニズム的読みを――。多くのカナファーニー作品の中心には男性の家父長的な生の綻びがあり、それが彼に筆を執らせる端緒・契機になっているということを指摘したい(但し「ラムレの証言」は別。親としての生を授かる奇跡に、また親としての生が全てであるという事態に、男女の区別が問題となる余地はない)。つまりカナファーニーの世界で女は写真を降ろされた後の壁の「空虚」P.236ほどの位置すら占めていないのでは?もちろん男が男として生きることは男にとって大切だろうけど、ではそれってどれ程までに?2019/07/12

スミス市松

15
「記憶の抹殺(メモリサイド)」の最中にあった当時のパレスチナ難民の生を小説として表象する以上、カナファーニーはその行為に強烈な祈りをこめて全編に響かせているはずで、それが本書にとんでもない重力をもたらしていることには相違ない。しかしどうだろう、カナファーニーが爆殺されて今年で四十年になる。にもかかわらず、彼の地には「パレスチナ問題」が継続してあるという事実を私たちは考えなければならないのではないか。つまり、カナファーニーの祈りは叶えられることなく――あるいは途上のまま――現在まできてしまっているのである。2012/03/30

きゅー

13
パレスチナ問題が主軸となる7編の小説が収録。白眉となる「ハイファに戻って」では、パレスチナ問題という私達にとっては遠くの出来事が、親子の離別という誰もが共感できる形で、そしてさらに人間とは、宗教とは、民族とはといった根深い諸問題がつきつけられる。両者が共に正しい時、なぜ両者が苦しまなければならないのか。彼の作品には、この物語を書かねばならぬという強烈な欲望を感じる。その妄念のようなものが、私を悲嘆させる。恢復させようがない傷から血が流れている。おぞましいが、臆病さゆえにそこから目を背けることは許されない。2014/03/15

びっぐすとん

10
図書館本。『ハイファに戻って』のみ読了。アラブ文学が初めてなせいもあるが、なんといっても自分がパレスチナ問題について余りにも無知なことが難解さの原因。全く恥ずかしいことだがニュースで流がれている以上のことは分からない。著者が凄絶な最期を迎えたことも知らなかった。日本人の私にはどちらの言い分が正しいのかはわからない。しかし突然の出来事に引き裂かれた家族には正義など関係ない。ただ引き裂かれた事実だけが真実ではないか。宗教というのは個人の平和な日常より大事なものだろうか?宗教の為に戦うというのが理解出来ない。2018/11/11

ディヴァイン

8
再読。炎天下の中で太陽を密に浴びながら、本の中から立ち上る熱気に身体中が燃やされる幻覚を見る。パレスチナの特殊な地域に根ざした呪怨、それに伴う濃密かつ緻密な汗の滲む描写、そして世界へ向けての激しい真実の告白。鮮烈な悲劇を突きつけるものがあれば、死の恐怖に怯える切迫したものもあり、どんな困難な中でも生きようとする少年の心を繊細に描いたものもある。一篇一篇にこもった作家が語る真実を聞き入れましょう。2009/08/25

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