内容説明
「人生」という旅を、少しずつ受け入れるようになったあなたへ。親友が恋した男との、密会。老いた両親と旅して変化する、娘の感情。恋人以上だけど夫婦未満、微妙なカップルが旅の途中で出遭った「幽霊コレクター」…。ドイツで30万部を超えるベストセラーとなった青春の終りを予感する旅をめぐる、傑作短篇集。
著者等紹介
ヘルマン,ユーディット[ヘルマン,ユーディット][Hermann,Judith]
1970年、ベルリン生まれ。1998年にデビュー作『夏の家、その後』(松永美穂訳、河出書房新社、2005年)を発表、ドイツでベストセラーとなり大きな話題を呼ぶ。翌年にはブレーメン市文学奨励賞およびフーゴ・バル奨励賞を受賞、2001年にはハインリヒ・フォン・クライスト賞を受賞
松永美穂[マツナガミホ]
愛知県生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七色一味
36
読破。珍しく感想書く気になったのは、余りにも読み辛いから(笑)訳文が悪いわけではなく、多分原文ママなんだろうな。短編『アクア・アルタ』みたいな雰囲気ならそれもアリだけど、会話が入ると結構つらい。2019/07/12
藤月はな(灯れ松明の火)
29
所々、リアルな感情を掬い取る物語達。「ルート(女ともだち)」は奇妙な三角関係。自分への興味が薄い主人公や友人が愛しているが自分はこれっぽっちも興味がない男が自分の上で好き勝手にセックスしている時の意識の紛らわせ方がリアル。「アクア・アルタ」は両親との距離の取り方。特に両親が旅をすることで得られる自由にホッとしつつも旅行に出かけると気になって何故かストーカーしている娘は迷子がトラウマになった子供のよう。「アリ・オスカーソンへの愛」はパートナーへの失望と自分が真の愛だと思っていたことの熱の冷め方に頷いてしまう2016/06/04
七月せら
23
物語の途中で心地良く眠りに誘われてしまうので、1晩1編1週間で読み終わるはずがだいぶかかってしまいました。主人公達の恋愛はどことなく投げやりで理解が及びませんでしたが、そんな彼らの静かに揺れ動く心を通して見る旅の景色はとても美しかったです。「アクア・アルタ」が一番好き。2018/08/10
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7
自分では何と表現していいか、捉えどころのない「あの感じ」とか「ああいう感覚」とか「こんな気分」とかいうものが、文字で表現され得るものであることにまず驚く。描かれた人々は、自分にもどこか通じる気分や何かを身の内に抱いて、それを眺めるには様々な気持ちが付随してしまう。何人であっても、同じような社会に生きる人が抱える想いや悩みや気持ちに遠い隔たりはないらしい。2010/04/20
Meg Mog
6
ユーロプて感じ🙄つまらなくはないけど男女間の感情が日本と違いすぎるので共感しづらいし、描写が微に入り細を穿ってて眠たくなってくる。ユーロプの男女は友達同士でも二人きりで旅行行くのが普通みたいでビックリ。表題作とアクア・アルタ、ヒモが好み。2025/02/13