バイナル・カスライン〈下〉 (新装新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309204697
  • NDC分類 929.763
  • Cコード C0097

内容説明

中産階級の商人アフマド一家の三代にわたる人びとを鮮やかに描いた大河小説の第一作。アフマドは外では飲酒や女遊びなどを楽しむが、家の中では厳格な独裁者。妻のアミーナは従順な篭の鳥。長男はプレイボーイ、次男は真面目で優秀な大学生、長女は器量に恵まれない勝ち気な性格、次女はか細い美少女…。個性的な人間群像とその運命が生き生きと描かれた最高傑作。

著者等紹介

マフフーズ,ナギーブ[マフフーズ,ナギーブ][Mahfouz,Naguib]
1911‐2006年。エジプトのカイロ生まれで、現代アラブ世界を代表する作家。1988年にはアラブ人作家として初めてノーベル文学賞を受賞した。カイロ大学哲学科を卒業後、短編集『狂気の独白』を出版して以来、半世紀にわたって精力的に文学活動に励み、50冊以上の長編と短編集を発表した。そのほかにも、多数の映画脚本、劇作、随筆を執筆し、現代アラブで最も多くの読者を持つ第一人者の作家の地位を確立した

塙治夫[ハナワハルオ]
1931年、茨城県生まれ。1952年、外務省に入省。その後、カイロでアラビア語を研修し、アラブ7か国などに勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

秋良

21
閉じた世界のようであったエジプトの一家庭は、デモの勃発やそれに次男が参加することで否応なく現実の波へ揉まれていく。厳格な父親をイギリス兵が労働に駆り出す、デモを反対された次男が初めて反抗する、三男がイギリス兵と親交を結ぶなど、伝統的・家父長制イスラム世界が植民地主義によって揺さぶられるのが象徴的。話としては皮肉屋のハディーガが嫁に行ってしまったことで少し失速してしまう。何にせよ、通俗小説のようにアラブの普通の人々の生活が垣間見れて面白かった。2021/03/17

CCC

9
ここで終わるのか、というような物語の閉め。三部作とはいえ、やや放り投げられた気分になった。下巻は上巻よりも歴史要素が強まって、物語が家庭内に収まらなくなった感じだった。長い小説だったけれど、根気があるならアラブ世界(エジプト)入門として手に取ってもいいかもしれない。2018/07/07

Christena

9
第一次世界大戦末期のカイロに住む中流家庭の物語。絶対的な権力を持つ父に服従する家族の心情や、その父の心情などが、それぞれの立場で詳細に書かれていて、いつの間にか彼らと一緒に怒ったりハラハラしたり。マシュラビーヤの内側で、人々がどんなことを考え、何を食べて、何を信じて生きているのかを覗き見する感覚。読み応えのある長編小説でした。2015/03/18

西夏

1
やっと読み終わった!昨年末から、強いて言えば大学生から積み残した夏の宿題でした。上巻より会話や話の大きな転換点があるため、読みやすかった。父、母、そして子供たちという構成の話が下巻では結婚、離婚、出産、そして死という形に変わっていきます。ヤーシーンは全然理解できないけれど、人生の荒波ってこんな感じかなと。エジプトではドラマ化とかしたのかな。幸楽みたいなイメージです。2022/02/16

ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね

1
家の中では絶対的家父長としてふるまいながらも、外の世界では愉快な遊び人である主人公はともかく、好色で愚かな惣領息子には、なかなか共感が湧かない。だがそれ以外の登場人物はいずれも魅力的で、読んでいて楽しかった。特に無邪気な末っ子が愛らしい。カイロ3部作は別の題名で国書刊行会から全巻翻訳が出ているらしいが、長男に主役が移った2作目を読むという気には、なかなかなれないなぁ。2020/07/08

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