内容説明
あの日、それはみんな魔法っぽかった。「人間たちは生きものを殺す。わたしは埋める。ハリネズミや小鳥やカエル、それにカタツムリだって」森で出会った小さな人は言った。
著者等紹介
ハミルトン,ウォーカー[ハミルトン,ウォーカー][Hamilton,Walker]
1934年、スコットランド南西部ラナークシャーのエードリーに生まれる。読書する楽しみを、炭鉱で働く父親から受け継いだという。15歳で事務の仕事につき、働きながら夜学で会計を学ぶ。その後、イギリス空軍に入隊。しかし軍隊生活のほとんどを病気のために軍の病院でベッドに横たわって過ごす。結局、健康問題を理由に除隊となったあと、グラスゴーのビール工場を皮切りに職を転々とし、1960年に結婚。1968年、処女作となる『すべての小さきもののために』を発表。翌年の1969年、30代半ばの若さで世を去る
北代美和子[キタダイミワコ]
1953年、東京生まれ。1976年、上智大学外国語学部フランス語学科卒業。1978年、上智大学大学院外国語学部修士課程終了
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感想・レビュー
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ω
40
ほほー。何かお伽話のようで考えさせられる系ω 車という文明が、小さくて弱い生き物たちには怖いものとなる。彼ら代表のようなボビーが立ち向かう! 自動運転で例えばネズミを救えるのかって話。ライトな動物農場みたいな感じ😸?2021/05/23
riviere(りびえーる)
18
評判は聞いていたけれど、想像以上の本。表紙やタイトルから受ける暖かい印象とは裏腹に、文明批判、権力批判が隠されているのでは?など様々に読み取れて読み応えあった。31歳の主人公ボビーは交通事故をきっかけに脳に障害を負ったらしく、子どもの知能と無垢な心をもって生きている。義父デブからの虐待を逃れた先で不思議な小さい男サマーズさんと出会う。このサマーズさんがなんとも不思議な人。著者は本書を含む2つの作品だけを書いて30代で死去するもロアルド・ダールが本書を絶賛し、2000年には映画化されているらしい。 2020/05/24
ぱせり
8
奇妙な読後感です。後味は悪くないはずなのに、この引っ掛かり。ちいさなもの、とるにたりないものへの賛歌のようでありながら、暗さや危なさを隠し持ってもいるようで、妙にそわそわと落ち着かない気持ちなのですが・・・。2010/09/26
non
5
('14-209)‘小さきものの命を守ることは、自分の命を守ることになる’に尽きるのかな。2人の穏やかな暮らしを壊さないで、続けられたらよかったのに。祈るように応援しながら、時にじれったく読んだ。2014/10/14
ルビンの祝杯
5
弱い者たちが、必死に生きようとしている。僕は、そんなものたちを当たり前のように踏み潰していないか、自分の身体を確認する。