内容説明
30歳の誕生日を迎えるとき、つまりこれで完璧に大人!っていうときに、やってはいけないこと。同僚と一夜を共にする。贅沢品を衝動買いしてしまう。妻に出ていかれる。失業する。突然シングル・ファザーになる。…それらすべてを、ハリーはやってのけてしまう。4歳の息子の世話をしながら、やっと真の父親になることを学んだとき、ハリーは自分自身の父親と、息子である自分との関係も、新たな目で見ることが出来るようになっていく。父と息子、息子と父。そして、女たち。現代社会に生きる私たちの心にせつなく迫る、とっておきとの物語。
著者等紹介
パーソンズ,トニー[パーソンズ,トニー][Parsons,Tony]
1955年生まれのイギリス人。’70年代にパンク・ムーブメントに共感、New Musical Expressで記者として活躍する。その後、Face、Marie Claire、Elle、Arena、GQ、The Sunday Times、The Daily Telegraph、Mirrorなどのコラムを担当
小田島恒志[オダシマコウシ]
1962年生まれ。早稲田大学博士課程、ロンドン大学修士(MA)課程修了。中央大学助教授を経て、現在早稲田大学助教授。戯曲翻訳により1995年度湯浅芳子賞受賞
小田島則子[オダシマノリコ]
早稲田大学博士課程、ロンドン大学修士(MA)課程修了。駒沢女子大学、目白女子短期大学講師
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Natsumi
7
図書室
まこ魚
2
結構面白かった。まるで映画の情景が浮かぶようであり、これを題材とした映画があるのでは?と思わせるほどだった。主演はもちろんジム・キャリー! 話自体はとてもありふれたものだ。30を迎えた男が「自分の人生にはまだ何かがあるのではないか?」と思い、高額なスポーツカーの購入・不倫をし、妻が出ていき、息子と悪戦苦闘の日々が始まるというもの。しかし、このありふれた物語が作者の文才により、読者を物語に引き込んでいく。とても読みやすので、ほっこりとした面白い文書を軽く読みたい人にはお勧めです!2013/02/23
零
2
さすが。ダメ男を描くのが素晴らしく上手い。 こういう男ってこんな思考なのかー、と素直に納得できる異常な説得力。2012/09/03
lovcors
1
何度か訪れたイギリスが鮮明に蘇ってくるくらい、描写が細かく、ユーモアに溢れた本。また読みたいです。
がぁ
1
何度か手にとっているのに、何故か図書館でまた手にとってしまった。 よれよれの男が息子に成長させられていく、だめだめ男が父親に近づこうと努力していく、ただそれだけの物語なのに、何故か涙なくしては読めない。 自分の息子を「美しい子」だと言い切る、その気もちがよくわかる 。 子どもはどの親にとっても「美しい子」なんだと。 親は子どもの手を決して離してはいけないのだと。 それにしても子どもは混沌としています。2010/02/17