閉鎖病棟

閉鎖病棟

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  • サイズ B6判/ページ数 314p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309203218
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

職業医師として、年来、私は性的強迫観念が色濃く滲み出た情事の破局に関心を懐いている―本書の語り手、ピーター・クリーヴはそう語る。1959年の夏、精神科のマックス・ラファエルはロンドンからうらさびた土地にある、堅固な精神病院に副院長としてやってくる。並外れた美貌と知性をもちながらも孤独な彼の妻ステラは、そこで、狂気の彫刻家、危険な入院患者であるエドガー・スタークと宿命的な出会いをする。堰を切ったように情事に走る二人。そして作中人物たちはそれぞれに自らの悲劇を手繰り寄せていく…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

41
読んだつもりでいたが、2005年の劇場版を観たのであった。後味悪く気が滅入る。素晴らしい。マグラア熱高まるが、元々寡作なのか入手できる作品が少ないのが寂しい。再映画化するならばとミシェル・ウィリアムズとクライヴ・オーウェンを脳内キャスティングして読了。2024/10/05

Ai

5
ステラが、エドガーを愛することを通して、堕ちていくことに快楽を覚えているように感じた。一見、客観的な語り部の立ち位置にいる精神科医ピーターだが、実はステラの良心的な後見人の立ち位置で、彼女に食指をのばしているように感じる。こいつが一番始末が悪い。2016/12/27

勉誠出版営業部

3
パトリック・マグラアの『閉鎖病棟』を読了。タイトルからして不吉さが漂いますが、冒頭でもこれから不幸な話が始まることが予め提示されます…。精神病患者を愛したことで破滅していく医師の妻(とその周辺)を描いた作品。2016/03/19

ルミ

2
タイトルから「カッコーの巣の上で」のような病棟内の話を想像したが、敷地内に住む副院長一家の悲劇的顛末が語られている。すべてが崩壊し、抽斗に小さな頭像が残るのみ。この回想する患者の主治医が曲者である。宮脇氏の訳より言葉の選び方が古めかしいように感じた。2018/02/02

sundance1973

2
著者のバックグラウンドが存分に生かされた傑作心理サスペンス。主人公ステラの心が歪んでいく様をまるで顕微鏡越しに観察してでもいるかのような語り手が恐い。「閉鎖病棟」と聞くと狭っ苦しい感じがするけれど、本作の舞台は映画『シャッターアイランド』に出てくるような広大な敷地を持つ病院施設。のどかな田園風景と狂気とのコントラストが鮮やか。そういえばこれ、一時はリーアム・ニーソン主演、ジョナサン・デミ監督で映画化の予定だったんだよね。見てみたかったなあ。2015/04/23

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