内容説明
小説『愛人』の背景となったインドシナでの少女時代、愛憎半ばする家族の風景、フランスへの帰国と戦争、愛人たちとの交歓、そして映画・・・。本書は作家マルグリット・デュラスの人生の時を捉えた秘蔵アルバムの写真と、全足跡を浮き彫りにする文章で綴ったフォト・バイオグラフィーである。そのうち幾枚かはデュラス自身の家の壁に貼られていたという個人的な写真は、愛を追求し、書き続けたデュラスの表情と時代の経過をヴィヴィッドに伝えている。
目次
1 書かれたものの場
2 世界の屍体
3 欲望の耐え難き切迫
4 外にむかって書く
5 日はもはや誰のためにも昇らない
6 彼は遠くからやって来た、どこからか?
7 なにをしようとするのか?・・・愛すること
8 彼らのところまで行く
9 エクリチュール、それは私のことだ。
10 ページを閉じなくてはならぬ。