内容説明
作家の孤独、狂気、そして書くという未知の行為、死者たちへの想いを素直に語った、デュラス異色の最新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
49
【孤独になるのは、誰も決着をつけられなかったような本を書くため】書くという行為などを率直に語った5つの短編。巻末に訳者による解説。原書は1993年、翻訳は翌1994年刊。1996年死去。「書く(エクリール)」<書くことに伴う孤独というのは、それがなかったら、書きものが生まれないか、何を書こうかと探しあぐねて血の気を失い、こなごなになってしまうようなものよ。血の気がなくなったら、作者にもう見おぼえがなくなってしまう。そしてどんなことがあっても、書きものは誰か秘書に口述するようなことがあってはならない>と。⇒2025/04/11
袖崎いたる
3
デュラスを読む初めての作品が小説でないことは彼女に敬意を払っているとはいえないかもしれない。この作品において重要だなと感じたのは書くという行為の、沈黙のなかの絶叫というイメージである。それは叫びたくてしかたないという病のように、ラカンの評ではないけれど、原初の欲求なのかもなと感じた。そして蝿である。この本を語るには蝿は外せない。語られざる無言の死が、時を隔てて記述されることの礎石性というか、それなくしても構わない偶有性であるように思えて、しかし忘れていない自分がいるという単独性がある。得も言われぬ凄さ。2015/06/08
oyu
1
※図書館2009/06/28
ひかり
0
再読2014/06/20
むらさきたらこ
0
デュラスの本の中で一番好きかな。