内容説明
医学の父ヒッポクラテス。実験による実証主義をときながら、逆に固定化した権威としてまつりあげられた古代ローマのガレノス。ルネッサンス期に人体解剖図をつくりあげたヴェッサリウス。血液の循環を発見したハーヴェイ。聴診器の発明者ラエネック…。西欧の医師たちが理念、理論を実践の中でどのように生かし医学をきずきあげてきたのか。外科医である著者が現場の医師の目で語った、伝記による読物医学史。
目次
第1章 医学の始祖―ヒッポクラテス
第2章 ペルガモンの矛盾―ガレノス
第3章 再び目覚める―アンドレアス・ヴェサリウスと医学のルネッサンス
第4章 優しい外科医―アンブロワース・パレ
第5章 「自然そのものを助言者とすべし」―血液循環を発見したウィリアム・ハーヴェイ
第6章 新しい医学―ジョバンニ・モルガーニの解剖学的把握
第7章 木の葉は秋になるとなぜ紅葉するか―外科学、科学、そしてジョン・ハンター
第8章 診断なしに合理的治療はありえない―ルネ・ラエネック、聴診器の発明者
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Arte
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章ごとに伝記を語りながら、医学の歴史(体液説から、解剖で体の構造や生理を把握、消毒法や細菌を発見し、最後は臓器移植まで)を把握できるようにした本。フィルヒョウが革命家や考古学調査もやっていたとか、リスターが最初に提唱した防腐法は超七面倒くさかったとか、ハルステッド手術で有名なハルステッドがコカインの局麻効果を調べているうちにモルヒネ中毒になったとか、へえと思うこともたくさんあり、特にモルガーニが病気の原因は臓器にあるとして『病気の座と原因』を書いた話は面白かったが、いかんせん非常に非常に読みにくい。2014/11/27
黒碕薫
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たんなる偉人伝ではなく、近代医学の歴史の流れがわかってとても面白い。2011/02/07