内容説明
20世紀というこの複雑な時代と厳しい社会にあって人々は一種の脅迫観念に取り憑かれている。それが自己否定や絶望を招き、厭世観を生む結果となっている。この本は、人が生きて行く上で必要なことをわたしたちはみんな、充分に知っているし、お互いに思い遣りをもって、手を繋ぎ合って行けば大丈夫だということを語りかけている。“フルガム現象”として全米の学校、企業、政界、マスコミで大ブームを起こした表題作ほか珠玉のエッセー51編を収録。
目次
わたしの生活信条
折りふしの発見
愛のかたち
幸福の足し算
親しき隣人
人の居場所
クリスマス
自由な心
生と死のバランス
夢見る心
万物流転
人間模様
地球の片隅で
勇気と信念
生きている限り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のせ*まり
32
素晴らしかった!うちの会社の社長にも何度も読んでフルガムのクレドを社長室に掲げてほしい。むしろ会社のクレドにすればこんな社会の矛盾が1つずつ解決されていくのに。人は生まれたときから死ぬために生きていく。別に何も残せなくてもいいけれど、死ぬときに後悔が残る生き方はしたくない。ならどうすれば?って長年の疑問に対する答えがこの本には詰まってる。つまりはありのままでいること、周りに分け与えること、が大切なのだ。簡単でいて難しいけど、とても単純なこと。2018/03/25
白パラガス
20
まるでエッセイのお手本を集めたかのような文章の数々。自らの文章を〈日々の暮しのなかで見聞きした出来事や折々の偶感を書き綴った、私なりの『話の落穂拾い』(後略)〉と表現しており、各話は最初から最後までずっとやさしい文章で満たされている。中でも気に入ったのが表題作の『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』で、人を惹きつけるエッセイとはこう書くんだなと勉強になった。また『終りのない終り』では、ジェームズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』という本が登場し、そのオチが秀逸で思わず笑ってしまった。それから2019/02/17
うろん
6
登録漏れ本です
Yasuhiro
4
大学時代にも読んだ気がする2016/10/08
カルロス
2
タイトルにもなっている「人生に必要な~」は、自分の年齢が上がるほどに、シンプルであり、普遍的なものなのだと実感できる。子どもの頃に当たり前だったことは、大人になっても変わらず大切であり、子どもの頃にダメだったことは、大人になってもやっぱり駄目だ、ということを感じる。 その他の内容も、うまい言い回しが多く面白い。民族や人種に対する文章にちょっと引っかかるところがある。それも含めて考えさせられる内容と言える。2015/01/20