内容説明
これを読んでいる皆さん。生活は苦しく、未来は暗い。だがしかし、それでもなお私より先には死なないでほしい。あなたが私の名前を、学校や会社や職場やネットのあらゆる場所で囁いてくれることで、執筆の機会は広がり、命の蝋燭は少しずつ継ぎ足されていく。あなたの一声が、私を生かし続けるのだ。―「おわりに」より。
目次
1 阿佐ヶ谷・東大前時代(2004‐2006;2007;2008 ほか)
2 熊本時代(2016;2017;2018 ほか)
3 横浜・阿佐ヶ谷時代(2022;2023;2024)
著者等紹介
海猫沢めろん[ウミネコザワメロン]
1975年、大阪府生まれ。2004年『左巻キ式ラストリゾート』でデビュー。17年『キッズファイヤー・ドットコム』(講談社/野間文芸新人賞候補)で熊日文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
31
ふふふ、こんな本名あるわけなかろうが!とつっこみ。でもなんだか、北杜夫を読んでいるような、罪のないほら吹きの垂れ流す言葉に乗っかっているような…心地よい浮揚感を味わいました。ものによっては悪酔いしたかな?ブコウスキーをかなり水で割ってなんか着色したような…って、我ながらひどい感想だなあ、しゅみましぇん。新刊コーナーより。2025/02/03
kuukazoo
11
その珍妙なお名前の冠されたエッセイを雑誌や新聞でたまに目にすることはあったがどんな人なのかは知らず。何もしたくないめんどくさい金は欲しいけど働くのイヤ生きること即ち苦、等々小児的自虐的厭世的繰り言に満ちたこの本を読み通した自分、偉い。数々の先例があるけれども、この人の場合「自らを晒す芸風」を貫くこと自体が自縄自縛で堂々巡りになってる気がするのだが常にオチが「寝る」というのもなぁ。ただの思考の癖を真理と勘違いしないよう、気をつけねばと思った。2025/02/26
KEI
4
作家生活20年を振り返る傑作随筆集。何もかもがめんどうくさい。けれども金がないから書き続けるしかない。自らを新無頼派と呼び、自堕落な日常を綴る。言葉の端々に文学、哲学、宗教、科学などあらゆる教養がきらめいているような文章が読んでいて心地いい。科学やAIに関する考察は少々難しくて辟易したが、衰えゆく自身に訪れる変化を自虐的に書いた話の数々は面白かった。特に「イタコに太宰治をおろしてもらった」は気に入った。胡散臭いイタコに振り回される様子がとてもコミカルに描かれていて笑えた。2025/07/06
junne
4
二言目には「面倒」って言ってて最高である2025/02/25
三田郎
3
病んでる時の自由筆記?的なやつはよかった2025/04/08