内容説明
詩の世界へようこそ。中原中也賞・H氏賞・萩原朔太郎賞受賞詩人が贈る第4詩集。
目次
ウィークエンド
一点の自画像
束の間
息をのむ
百年のリハーサル
おおけすとら0―三月のヤンゴンのために
波に消える
0年
あたらしい夜
東京、2020
生命
オールトの雲
おとずれ
全ての音がここで聞こえる
鳴動
音楽
著者等紹介
岡本啓[オカモトケイ]
1983年生まれ。二十代後半になって詩にふれ、書きはじめる。アメリカ滞在時の詩をまとめた第一詩集『グラフィティ』で2015年の中原中也賞、H氏賞受賞。17年、旅についての第二詩集『絶景ノート』で萩原朔太郎賞受賞。20年、活動の拠点があった京都、奈良の古層にふれる第三詩集『ざわめきのなかわらいころげよ』を上梓。海外での詩祭にも活躍の場をひろげ、24年の秋には、最も歴史の長い文学レジデンシーのあるアイオワへ、十一週間の国際創作プログラムに招待され、新たな世界の詩人としれ注目されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kentaro mori
2
⚫︎日々が/ふりこになり/ふたたび揺れ始める//分厚い雲が/刻々と重ね着をぬぎ/ブルーをといた青山墓地の空に/二重の虹がかかる/昼も夜もどこかからきこえる二重跳びの音が/ようやく消えようとしている/拾い上げた蜂の綻びの/不思議なかるさ/この言葉とははるかに遠いもの/ウォルトホイットマン団地のオバケ騒ぎ//ふらつく鼻先をかすめていった/行先表示の光を追いすがり/緑車庫、とはっする/緑車庫という響きがひろがり/それまであった無辺のなにかが失われた/でも失われるからといって/言葉を彼方へ手放すことはできない2025/08/02
kumoi
1
感動を言葉にする。きっと無理だ。言葉にした瞬間に決定的に失われてしまう何かがあるから。本当に大切なものは言語化できない。しかし誰かにこの感動を届けたい。ギフトを受け取ってしまった人間は解決不可能な問題に挑むだろう。最初から勝敗は決まっている。負け続けるのは御免だけど、諦めるよりマシじゃないか。華麗に敗北しよう。言葉にピースして、締めくくるんだ。2025/01/26
Hideo Tsubaki
0
ただただ、言葉の美しさだけを追求したような音の流れに、何か伝えたいことがあるようにも見えるし、どの1編を取っても理解できたとは思えないしで、ふわふわとした気分になる。 でも、繰り返し読みたくなって、数ページ戻って読み直したり。 自分の知らない世界へ連れてってくれる気がして、自分の目で世界が見たくなる。2025/08/15