内容説明
越路さんがいて私がいた。彼女は生前、私によくいっていた。「若し私が先に死んだら、私のことを書いてね」もちろん、元気なときの話である。私たちは近年、冗談のようにみせかけながら、たがいに「私が先に死んだら」という言葉を交わしあい、暗黙のうちに、二、三の約束をしてきた。「私のことを書いてね」も、その約束の一つである。戦後初の女性作詞家として稀有な仕事を残した岩谷時子のエッセイ集、待望の復刊!
目次
1(誰もいない誕生日;越路さんがいて私がいた ほか)
2(私の宝塚;憧れの編集部入り ほか)
3(好きな季節;花雑記 ほか)
4(二人の素敵な女性;T・Iコンビ・いずみたくさん ほか)
5(わが青春の越路吹雪さん;ラスト・クリスマス ほか)
6(哀しみが始まる日;さよなら ほか)
7(―なにをたずねて幾千里;この古風なコメディ・私自身のこと)
著者等紹介
岩谷時子[イワタニトキコ]
1916~2013年。1916年(大正5)、京城(現在のソウル)に生まれる。神戸女学院大学卒業。1952年(昭和27)、越路吹雪の「愛の讃歌」で戦後初の女性作詞家としてデビュー。加山雄三「君といつまでも」、沢たまき「ベッドで煙草を吸わないで」、郷ひろみ「男の子女の子」など多数のヒット作を生み出すとともに、「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」など多くのミュージカルの訳詞を手がけた。日本レコード大賞作詞賞・菊田一夫演劇賞特別賞・東京都文化賞受賞。文化功労者顕彰。公益財団法人岩谷時子音楽文化振興財団設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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