内容説明
ルーティンを愛する45歳事務職×ホスクラ通いの20代パリピ編集者。同じ職場の女から導かれて出会ったのは忘れかけていた本当の私―。
著者等紹介
金原ひとみ[カネハラヒトミ]
1983年東京都生まれ。2003年に『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞を受賞。10年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、12年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、20年『アタラクシア』で渡辺淳一文学賞、21年『アンソーシャルディスタンス』で谷崎潤一郎賞、22年『ミーツ・ザ・ワールド』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
287
金原 ひとみは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 令和の女性のリアル、今時の恋愛は、こんなカタチでしょうか❓ 頁数の割に濃密な文章・内容となっています。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000778.000012754.html2024/11/10
青乃108号
259
どんなもんやら全く予備知識も無く、初めての作家の本を読んだ。只、勘で選んだ。読み始めるとその文字密度の濃さになかなか読み進められず、三晩も費やしてしまった。一日目、なんやこれは面白いやんか、でも明日も仕事やしこの辺にしとこ。二日目、これは凄いかも知れない→なんやこの長台詞は→本だから読めるけどリアルに相対したら絶対無理やん、明日も仕事やしこの辺にしとこ。三日目、かさましまさかってええ奴やな、浜野はちょっと、無いな。などと思ったらいつの間にか「夏物語」の絶対パクりやん、な回想が始まってどうでも良くなった。2025/03/22
Sato19601027
245
将来に不安を覚えない人は僅かだろう。主人公は、突出した才能も情熱も、誰かを愛することもなくなった45歳の浜野文乃。出版社の労務管理部門での仕事と動画と一人ご飯の波風の立たない生活を10年間続けている。17歳年下で、スケボー通勤する自由気ままな編集部平木直理と出会い、ランチを一緒にして、レゲエバンド「チキンシンク」のライブに出掛けたことで、人生がどんどん変わっていく。心に変化が現れるライブ場面の描き方が素晴らしい。そして、明かされる浜野の過去と、未来へのちょっとした希望。幸せな明日のために、どう生きるのか。2025/01/03
hiace9000
183
"陽キャ"リードの自己発見!シリーズ・金原さん3作目。「中年版『君たちはどう生きるか』」に金原筆は鮮やかに切り込んでくれる。自身の「わからなさ」に向き合い、密かに答えを探している人生のほぼ中間点・40代。敢えてブラッシュアップやアップデートをしないルーティン生活を選んだ浜野(45)に、除細動器なみのカウンターインパクトを与える20代パリピ編集者・平木。ここを起点に浜野は「わかっている」はずの自分の文脈を見つめ直し始めることに。自分を再構築し生き直すことの醍醐味や価値を、金原流軽やかさで読ませる。2024/12/16
貴
170
大人の恋って何ですか ! 生活面や経済面、精神面での自立が前提となるのですか ? 自分中心で悪いのですか ? 穏やかで幸せな時間を作る事が幸せですか ? 大人にはまだまだなれそうもない。2024/10/15