内容説明
妻の球子は俺を庇って骨折ばかりする。俺も球子を守りたくて夫婦で“守りバトル”に没頭する。ある日、勤め先に俺が会社の金を横領していると電話が入り―。―「ほどける骨折り球子」。無名モデルのキヌは、映画の撮影で粗雑な扱いを受ける中で、女の幽霊が見えるようになり…。「見えない存在」にされてきたふたりが革命を起こす!―「存在よ!」。“奇想天外、だけど愛おしい。不均衡な関係性に縛られた心を解き放つ傑作!
著者等紹介
長井短[ナガイミジカ]
1993年生まれ、東京都出身。俳優、作家。雑誌、舞台、映画、テレビドラマ、バラエティなど幅広く活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yasuyuki suzuki
8
まるで舞台演劇の脚本を読んでいる感覚におちいってしまいました。骨折を4回もしてしまった設定が奇想天外でラストの驚愕の結末は本当にびっくりしました。幽霊役のエクストラのキヌの役者魂に魅せられました。本物の幽霊が見えたのか?鬼気迫る進行に読む手が止まらず一気読みでした。あなたも読んでこの不思議物語を堪能して下さい。2024/07/18
海星梨
7
読める。けど、微妙。2025/01/10
しきぶ
6
オーディブル視聴。このまま舞台の脚本になりそうな、しかもエモーショナルなナレーションのせいか朗読劇でも見ているかのようで、著者が舞台俳優であると知って納得。表題作は主人公・球子がエキセントリックすぎて、だけどそれによって主張していることはなるほどではある。併録の「存在よ!」その場にいないことにされてしまう幽霊のような存在と本当の幽霊とのやりとりに、こちらも確かになと共感する。2作ともテーマとしては分かりやすいのにそれを今まで味わったことのない角度から切り込んできて、シリアスで軽妙。不思議な感覚の話だった。2025/04/11
三色かじ香
4
久しぶりに私にとって真新しい物語を読めたので興奮しています。2つの短編の主題である主張は、たしかに最近しばしば叫ばれていて、でもこれらをこのようにフィクションに落とし込むことが出来るのか、と感動しました。フィクションのあるべき姿を感じました。2024/10/05
のりえ
2
➡️読みながら、長井短さんがチラチラ浮かぶ。骨折する球子と彼氏の本音のぶつけ合い、映像ではこういうの観たことあった気がするけど、文章でも面白かった。2025/01/14