感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
175
作家町屋良平が、私の文体·労働·推敲·批評·大江について語る、私小説なのか擬似小説なのか、純文学なのか不純文学なのか。イマジナリーに慰めながら書き上げる、この小説を「ガチ」に熟読すべきなのか、「エンジョイ」で流し読むべきなのか。やっぱりその中間が正解なのか。文学の枠をぶっ壊す檄文とも受け取れる。2025/01/20
starbro
159
町屋 良平は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 タイトルどおり、私小説、このタイミングで出す作品なのか疑問です。著者は、売れない芥川賞作家になりつつある気がします。 著者は、本当に町屋に住んでいるのでしょうか❓ https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031965/2024/08/04
nonpono
44
川端賞。未知の作家。うーん、読むのに時間がかかった。なかなか入り込めず。自問自答のような禅問答のようなものが続く。人があまり動かない。ベースには、「わかっている。私は「私」が無理なのだ」という自己嫌悪。わたしも私が苦手で子供も得意じゃないから、出来なかったかもしれないが、あえて子供を作らなかった。それはわたしが嫌いでわたしを残したくないから。また、「目の前の相手の気持ちに寄り添うことができないから、金やモノで解決」も共感。これしか出来ないしこれさえも出来ないこともある。著者の生き様に興味を持ち始めている。2024/10/03
いちろく
27
作中でも触れられた「私小説」なのか? それとも「エッセイ」なのか? という疑問がどうでもよくなるぐらい著者の内面が描かれている印象もあった内容。感傷的な部分や病的な部分にも触れられていて、面白いと思うことが失礼と思いつつも、興味深く読み終えた作品だった。「私」というコトバで描かれた主観的な内容と客観的な内容が共存する文体もあり、私は好きな一冊だった。2024/11/19
かふ
23
「私の〜」と題された短編連作は、小説についてのメタフィクションであり、虚実が交差する町屋良平という作家が書く私小説。「私の文体」で、不眠の作家が小学生時代の親友のAの文体を模倣したとされる小説ない小説が面白い。作家は精神病者的なところがあり、それはシングルマザーである母との共依存であり、「私の批評」では毒親は祖母だつたというような精神分析の批評のような小説で、『私の大江」で大江健三郎のパロディ2025/09/14