内容説明
19世紀末アメリカ。死を求める魔女は、処刑用電気椅子を用いたショーに臨む。(「ニューヨークの魔女」)。子育て体験キットを育てることになった同性カップルの(非)日常。(「私のつまと、私のはは」)。その夏の日、女性は電信柱と激しい恋に落ちた。(「電信柱より」)。大戦のさなかに出会ったふたりの少女をつないだものは嘘だった―。(「嘘つき姫」)。新鋭・坂崎かおるが紡ぐ、珠玉の9篇。
著者等紹介
坂崎かおる[サカサキカオル]
1984年、東京都生まれ。2020年、「リモート」で第1回かぐやSFコンテスト審査員特別賞を受賞後、多くの文学賞やコンテストで受賞・入賞を果たす。本書が初の単著となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遙
14
またも現れた鬼才。各話が残酷さをおびて、時や次元を超え、後味の悪さで締めくくられています。 そこに答えはなく、こんな事例があり、このように終わりましたという物語が語られていくようですが、 そのどれもに独自の世界観があり、著者さんは現代ものからSF、国境を超えた作風まで存分に書けるお方なのだと認めざる負えないクオリティです。今後どのような"名作"はたまた"迷作"を生み出されるのか、 注目の作家さんになり得るかも。 [私のつまと、私のはは]が好きでした。2024/04/09
Pustota
6
時も場所も様々な全9編。いつの間にかその不思議な物語の世界に惹き付けられている、そんな読み心地。それでいて掴み所のなさも感じる。安易に触れられない寂しさがあるというか。そんな独特の雰囲気が魅力的だった。2024/04/06
ジジ
3
作者初の作品集とのこと。 ジャンルはSFCらしい… このらしい…というのが、私にはSFというよりは奇譚集。 想像を掻き立てるタイプのホラーのような気もする。 そして、衝撃的なことに、半分も理解できていないはずなのに、読後は何じゃ、こりゃ?面白いやないか! これ真に珍妙なり、いや、キテレツかもしれない… 2024/04/03
YSHR1980
2
既読の表題作は、読み終えてからの段落番号の仕掛けが見事。他には「私のつまと、私のはは」「電信柱より」の2作、言語化しがたい愛情と生きづらさの描写が良かった。2024/04/02
ほしそらねこちゃ
0
この人の長編を読んでみたい!2024/04/17