内容説明
親交深い二人が渡来人徐福や羽衣伝説、古事記、神話・民話など古代の記憶が宿る土地、間人・丹後に感応して生まれた書き下ろし叙事詩写真集。
目次
壱 私は着いた
弐 私は見た
参 私は聞いた
肆 私は仰いだ
伍 私は詣でた
陸 私は聞いた
漆 私は聞いた
捌 私は登った
玖 私は留まった
列外 男は造った
跋
写真
著者等紹介
池澤夏樹[イケザワナツキ]
1945年北海道生まれ。作家・詩人。著書に『スティル・ライフ』(芥川賞)、『マシアス・ギリの失脚』(谷崎潤一郎賞)、『花を運ぶ妹』(毎日出版文化賞)など。日本芸術院会員
畠山直哉[ハタケヤマナオヤ]
1958年陸前高田市生まれ。写真家。木村伊兵衛賞受賞。写真集に『Underground』(毎日芸術賞)など。展覧会に『Natural Stories』(東京都写真美術館、芸術選奨文部科学大臣賞)など。紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
158
池澤 夏樹は、新作中心に読んでいる作家です。古代史、神話の郷、丹後半島の写真集は初めてでした。古の情景が、目に浮かびました。 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031675/2024/03/03
角
4
畠山直哉の写真と、池澤夏樹の詩とが1冊に。前半が詩、後半が写真集という構成だが、これが良いのか悪いのか……。詩が写真の説明でない以上、並んで置かれていると興を削がれる。一方、詩を読むときに、まだ見たことのない丹後の地の風景を知りたいと思うし、写真を観るときにその通底に流れる古代のこだまを聴きたいと思ったりもする。一度まとめて読み、それから写真と詩を行ったり来たりして眺めるのが一番よいのか。2024/04/28
きのたん
2
なにげなく新刊のところから選んで読んでみたら、個人的に気になっている持齋(じさい)が出てきた。しかも車掌のように当然いるものだという雰囲気。なんなんだろう。汚いことと旅の安全がどうつながるのか。古代の人の思考は興味深い。2024/11/30
チョビ
2
木村伊兵衛賞受賞カメラマンの写真をもとに詩をつけたというもの。その結果、3世紀から5世紀ぐらいにかけての世界観がやけに説明的になってしまい、せっかくの神秘的かつ現代の生活感たっぷりの写真の読み手の想像力を却って奪われてしまったように思えた。むしろ写真家の後書きの方がどこか詩的で余韻があった。ストーリーテリングの似合う写真、というところか。2024/04/24