内容説明
図書館に勤め始めてから4回目の春、児童担当として日々奮闘する犬上さんの目下の悩みは、年上の新人・高橋さんのこと。反抗的で、司書の仕事にも熱心じゃないみたい。さらに、とある事件以降、同僚・内海さんのことが気になってしかたなくて―
著者等紹介
櫻井とりお[サクライトリオ]
京都市生まれ。放送大学教養学部卒。都内区役所在職中、およそ10年間公立図書館で勤務。2018年第1回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞、19年『虹いろ図書館のへびおとこ』(河出書房新社)で作家デビュー。20年度まで非正規職員として関東圏の公立図書館に勤めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
75
虹いろ図書館⑤司書のお仕事小説▽司書3年目の犬上は21歳、通信大学生で司書の単位を取り卒業を目指している。新人の高橋はコミュ強の司書資格持ち年上後輩で、どうも犬上を軽んじてるぽい。大先輩が移動し、犬上、内海、高橋で児童担当を受け持つが、日々様々な事件が起こる▽高橋みたいなの無理だなぁて思いながら読んでたけど、人って色んな顔があって考え方も変わるし、人間関係もひとつじゃないんだなって思い出した。多くの児童書が出てくるのがとても魅力的。ピッピの再登場に期待します。2023.11刊2024/01/20
ぶんこ
47
犬上さんが司書資格取得に向けて頑張っている。そこへ司書資格を持つ年上新人が配属されてきて、教育担当になってしまう。その新人高橋君は、どことなく犬上さんを下に見ている感じ。犬上さんもそれを感じて卑屈になっていて、ケンちゃんに発破をかけられる。移動となった尊敬する霜月さんに、館外の勉強会で何度も会えるのがいい。霜月さんの親分肌と、利用者の早乙女さんがカッコいい。人の良い面を見つけて褒めるって、相当難しいのに、このお二人は自然にできているのがすごい。犬上さん、良い人たちに恵まれてます。2024/02/17
キラ@道北民
27
シリーズ第5弾。図書館勤務3年目の犬上さん。YAとは思えない展開!後輩もできるが指導に悩んだり、恋のライバルになってもやもやしたり、もっと自信もって頑張れ!と応援しながら読み進めた。図書館職員の勉強会メンバーが良い。ぶつかり合いフォローしあう関係が出来ていて素晴らしい。作家の西荻善先生の講演、読書の意味、本とそれにまつわる人との話が最高だった。 2024/01/31
ケ・セラ・セラ
27
イヌガミさん図書館勤め丸3年、嬉しい第二弾。小さいケンちゃんも再登場。後輩もやってきて教える立場になったものの、頼りになる大好きな先輩たちが去って不安いっぱい。おまけに後輩は厄介な奴。霜月さんみたいな先輩が近くにいたらいいな。半分司書のイヌガミくんの仕事への真摯な取り組みと、そして恋物語。キュンキュンしながら読んで、ラストそうきたかー。表紙も相変わらず素敵だけど、巻末のイラストに頰がゆるむ。このシリーズ好きだな。2024/01/15
anne@灯れ松明の火
24
シリーズ5。新着棚で。4から、まる3年経ち、イヌガミさんにも後輩ができた。ただ、相手は大卒なので、年は上で、仕事にも熱はなく、素直でもない。頼りになる先輩たちは去り、これは厄介。その上、胸キュンな展開まであり、イヌガミさん、どうする? 気になることが山積みで、どんどんページをめくってしまう。読了後、タイトルを見直して、「そうだったんだ」と納得した上に、1を再読したら、「既に書いてあったよ!」と、すっかり忘れていた自分に呆れてしまった。次はどういう形になる? 図書館愛、読書愛が詰まったシリーズ、続けてほしい2024/01/07