出版社内容情報
武田百合子没後30年。百合子が愛した富士の「武田山荘」跡の近くに暮らす著者が、武田夫妻と縁深い人びとに綿密な取材を重ね、永遠のベストセラー『富士日記』のあらたな魅力にせまる!
著者情報
1950年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。元「小説新潮」編集長。2007年『ぬけられますか』で大衆文学研究賞を受賞。著書に『ザ・流行作家』『作家という病』『にわか〈京都人〉宣言』『小説作法の殺人』等。
内容説明
武田百合子没後30年、『富士日記』のあらたな魅力にせまる!
目次
第1章 武田山荘を探して
第2章 編集者と作家と
第3章 その後のメインキャストたち
第4章 富士山麓で暮らす
第5章 時代は変わる
第6章 『富士日記』聖地巡礼
第7章 夫亡き後
著者等紹介
校條剛[メンジョウツヨシ]
1950年、東京都荻窪生まれ。早稲田大学文学部卒業。1973年、新潮社に入社。「小説新潮」元編集長。2014年から19年まで京都造形芸術大学文芸表現学科教授。2019年より京都文学賞選考委員。2007年、『ぬけられますか―私漫画家 滝田ゆう』(河出書房新社)で大衆文学研究賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぐうぐう
34
『富士日記』聖地巡礼のような一冊。日記に登場した人々、そして場所を探すことを目的としたエッセイなのだが、いかんせん『富士日記』が書かれ始めたのが60年近く前で(終了時からでさえ50年近い)、存命の人を探すのはさすがに困難で、場所にしても日記で記された風景は様変わりをしている。けれどそれは著者も承知の上で、しかもその時間に裏切られることを逆手に取り、本書の(と同時に『富士日記』の)主題にしているのには驚かされた。(つづく)2023/06/28
hitotak
10
『富士日記』の舞台である武田山荘と同じ分譲地に別荘を購入したという縁から初めて富士日記を読んだ著者が、別荘のあった場所や、登場人物のその後などを綴る。よく日記に登場するノブさんは実はアル中で外面のいい人物だったと書かれている。もう少し複雑な内面と武田夫妻への親愛の情があっただろうとも思うが、そんな考察もなく、日記への思い入れもなさそうだ。『富士日記』に関わることが読みたいと思って手にしたが、後半は著者の別荘暮らしについてが主になる。自宅の暖炉で使う薪作りの下りなんて長すぎるし、ハッキリ言っていらなかった。2023/12/24
uchiyama
8
山荘のあった場所を労を厭わず探す前半はまだしも、富士山に行く気などない者にとっては退屈な富士山麓のガイドみたいな後半(「そのうち本栖の湖面でパドルを操る私の勇姿をみることが出来るかもしれない」って…。)もさておき、日記の中で実に魅力的に描かれた人物を追跡して、その経歴やなんかを「常識的」な筆致で書いた部分には、果たして必要かな、という気持ちになったのですが、何より、武田百合子が書いた具体的なエピソードを、彼女が決してそうしなかった抽象的な感慨や悲哀としてまとめてあるのが、どうしても好きになれませんでした。2023/07/20
moyin
7
百合子ファンなら必読の一冊。2023/06/12
ムチコ
6
虎の威を借る狐。ひどい代物だと思いました。途中でやめてしまった。2023/12/02
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