内容説明
夏休みの前夜、公園で小学校教師が殺害された。史上最悪の渋谷のテロ事件から二年、本所南署に異動したばかりの刑事・世田は、元警視庁サイバー班の奇抜すぎる新人女性刑事・天羽史と事件を追ううちに、巷で出回っているAR爆破シミュレーション・アプリ「アイコ」の存在を知る。二年前のテロ事件の真犯人と同じ名前なのは偶然なのか?やがて、被害者と関わりあるらしいレストラン経営者の自宅が目の前で爆破され、偶然、その家で家庭教師をしていたかつての相棒・泉の恋人が重傷を負う。連鎖する事件、暗中模索の中、難航する捜査。そんな矢先、泉が刺されたという一報が世田のもとに入り、さらには天羽が失踪する。事件のキーワードは、世界的人気漫画『ツリー・ブランチ』。そして世田は、その大型イベントが行われる東京ドーム前に立っていた。
著者等紹介
秦建日子[ハタタケヒコ]
小説家・脚本家・演出家・映画監督。1968年生まれ。97年より専業の作家活動。2004年『推理小説』で小説家デビュー。同作は(刑事 雪平夏見)シリーズとして続編とともにベストセラーとなり、『アンフェア』としてドラマ&映画化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケンイチミズバ
96
興味を惹くのは、ひとり個性が光る天羽という変わった名前の女性刑事だけ。彼女のキャラクターを使って作者は自分の言わんとすることを表現している。型破りな、いや、型に嵌らない言動をする。が、独り目立つだけ。その他の人物にも物語にも奥行きがなく、説明的な文章に物足りなさを感じる。誉田哲也さんほどのいい意味でのえぐみがなく、事件に引き込まれない。働き方改革を上から押し付けられているとはいえ、事件で帳場が立ってるのに定時で帰る刑事が本当にいるのだろうか。昭和のワーカホリック否定はわかるが昭和の刑事っぽさも私は好きだ。2023/04/18
タックン
71
刑事雪平シリーズで有名になった秦建日子氏最新作。映画(サイレント・トーキョー)の続編かなあ? 題名とプロローグでだいたい予想はついたけど、雪平シリーズみたいに伏線が散りばめられて混沌とした描き方は相変わらずで終盤に一気に。でも女性刑事天羽はどうなったの、結局最後は?続編がありそうだ。 小学生が犯罪を?!!とかアプリとかAIとか真相がよくわからないけど、世の中や政治への不満がたまるとこうゆう犯罪が起こりうるって警笛を鳴らした近未来小説って感じかねえ。世田と天羽のコンビと天羽のキャラがよかった。2023/06/04
ゆみねこ
69
爆弾シリーズ第2弾。あの渋谷の惨劇から2年、世田・天羽のコンビは公園で殺害された小学校教師の事件の捜査にあたる。事件を追ううちに巷に出回る爆破シミュレーションゲーム「アイコ」の存在を知り、被害者と関わりあいのある人物の自宅の爆発事件で巻き込まれて重傷を負うかつての相棒・泉の恋人。連鎖する事件、世界的人気漫画【ツリー・ブランチ】との関わり。今回の敵はAI、どういう結末を迎えるのかと思ったら…この終わり方はモヤモヤする。続編読まなくちゃ。2024/07/29
rosetta
35
★★★★☆シリーズ物だったのか⁉️これだけ読んでもかなり面白かったが、ちゃんと通して読んだらもっと楽しめただろう、残念。東京ドームのアニメイベントで爆発事件!プロローグでいきなり不穏な情景が描かれる。どうやらこれには渋谷ハチ公爆発事件が先行していたらしい。トラウマを抱えた刑事達の前に錦糸町で小学校教師殺人事件が発生。本庄南署に赴任して早速事件を担当する世田。相棒の天羽史と捜査本部に加わる。この天羽のキャラがいいなぁ。ラストまで読んでもどうなったか分からないから続きがあるのか?シリーズ物はわかるようにして!2023/07/20
海の仙人
31
シリーズ第2弾。本所南署の新コンビ、世田と天羽のやり取りが秀逸。今作もスピード感たっぷりで面白かった。これでやっと第三・完結編に突入できます。2024/08/03