出版社内容情報
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内容説明
高校生のふうかは会社経営の男の家で柔らかいソファに座り、男の元恋人を象ったマネキンの下、夜毎、ホラーゲームで悪霊たちから逃げ続け―。「恐怖」の概念を覆す衝撃作!
著者等紹介
遠野遥[トオノハルカ]
1991年神奈川県生まれ。2019年『改良』で第56回文藝賞を受賞しデビュー。2020年『破局』で第163回芥川龍之介賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
114
「教育」みたいな、奇想天外な話が好きなので、 この本も読んでみた。 歳の離れた彼氏と一緒に暮らしているふうかちゃんは、高校生。 (いいのか?) ふうかちゃんのホラーゲームが、浮遊なのかな?現実のようで、空想のようで、ふわふわしていて怖い。 ふうかちゃんの彼氏はアプリを作成する会社を自分でやっている人で、お父さんに近い年齢の人で。 たぶんお金持ち。 旅行先で、SNS炎上しそうな投稿を発見して慌てる彼氏。 有名になるということは、そういうことなのかも。 ふうかちゃんの方が落ち着いていて、安心できる。2024/02/15
ケンイチミズバ
108
パパ活というものなのだろうか?女子高生が父親くらいの年齢の男性と生活している。何らかのギブ&テイクがあるのが活動なのだろうが、女性は100%衣食住をお世話になってゲームばかりしている。男は優しく、良識のあるITのCEOで前の恋人の痕跡が見つかると心を込めて謝るくらい気遣いがある。状況は背徳なはずなのに聴こえて来る二人の会話がお互いに気遣いがあり過ぎて気持ち悪い。コメントもこれだけだと「えっ?」となってしまうが、物語も「えっ?」で終わる。性的な臭いが全くなく、ふわふわつかみどころのない新しい文学なのだろう。2023/01/30
いっち
89
「浮遊」とはゲームのタイトル。悪霊から逃げるロールプレイングゲーム。ゲームの主人公は、記憶を失った状態で都心にいる。敵から逃げながら、記憶を取り戻したらクリア。取り戻した記憶がバッドエンド過ぎる。このゲーム誰がやるんだろうと思う。ゲームのタイトルと同じ、本書のタイトル。本書の主人公は女子高生。父親と同じ歳くらいの男性と一緒に住んでいる。父親とは不仲ではないらしく、実家に帰るときもある。実家に母親はいない。主人公が小学校のとき、母親はゲームをしていた。何かあったのか。わからない。謎で読ませる。面白くはある。2023/05/11
aki☆
68
父親と同年代の恋人の家で暮らすふうかは16歳。学校生活にはほとんど触れず、家でのゲーム描写ばかりという不思議なストーリー。『浮遊』もゲーム名という事からゲーム内に大切な事でも…と思ったけど残念ながら私には読み取れなかった。設定には一切触れず淡々と進むので色々気になるけど、そこは遠野さんらしい気もする。ふうかに長文を送ってくる父親が一番リアルで、温度を感じさせてくれるので安心出来た。結局『浮遊』のまま読了。 2023/05/28
ぼっちゃん
60
【2023.3ダ・ヴィンチのプラチナ本】金持ちの恋人のもとで、ゲーム『浮遊』の世界に浸る女子高校生の物語。ゲーム『浮遊』は浮遊霊となっている自分が何者なのかを追うゲームで、現実は優しくお金もある恋人と暮らし充実しているようであるが、どこか浮遊しているような感じがする話であった。【図書館本】2023/02/17