出版社内容情報
阪急電鉄・宝塚歌劇団の生みの親小林一三の、峻烈な実業家の貌の内にひそむナイーブな心情を探って、この個性的な巨人の実像をみごとに造形した長篇評伝小説。
著者情報
1925年大阪市生まれ。東京大学国史学科卒。詩人、小説家。熱心なキリスト教徒の家庭に育つ。1974年、小説『土の器』で芥川賞受賞、児童文学では歌曲集『うたえバンバン』、詩集『サッちゃん』でそれぞれ第4回、第6回日本童謡賞を受ける。
内容説明
山梨県の韮崎から出てきた演劇好きで作家志望の文学青年は、ユニークな発想を活かして現在の日本の鉄道ビジネスモデルの原型を生み出した。阪急電鉄を創設すると沿線を次々に開発。さらには宝塚歌劇団をおこし、興行界に進出して東宝を設立するなど、エンタメ産業において多大なる功績を残す。その一方で、芸術を心から愛し、出会った人の名前と顔を忘れず、社員一人一人にも心を配る繊細さも併せ持つ。厖大な資料と調査に基づき、魅力あふれる不世出の実業家、小林一三の破天荒で濃密な人生に迫る。
目次
甲州韮崎
海を見た日
上方へ
結婚
箕面電車
宝塚新温泉
日本歌劇事始め
「我等の阪急」
少女歌劇
清く正しく美しく
大臣落第記
著者等紹介
阪田寛夫[サカタヒロオ]
1925年大阪生まれ。詩人、小説家、児童文学作家。東京大学文学部卒業。75年『土の器』で芥川賞、84年『わが小林一三』で毎日出版文化賞、87年『海道東征』で川端康成文学賞、89年恩賜賞・日本芸術院賞を受賞。童謡、児童文学の分野でも「サッちゃん」『トラジイちゃんの冒険』など多くの名作を発表した。2005年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。