出版社内容情報
絶望をドレスコードに生きる高3の静とナナは、「ことばぁ」という老婆の家に毎週通っていて――。たたみかけるパンチラインで語られる高校生たちのモノローグ。第59回文藝賞受賞作。
著者情報
2003年奈良県生まれ。2022年に本作で第59回文藝賞を受賞し、デビュー。
内容説明
絶望をドレスコードにして生きる高校三年生の静と、ネグレクト家庭に育ち「死にたい歴=年齢」のナナ。ある晩、受験生のナナが単語カードを片手に歩いていると、駅前でサイファーをしている若い男に声をかけられた。ナナは気まぐれで、彼=ビルEを、静と自分の通い慣れている「ことばぁ」という老婆の家に誘うが―。軽やかなことば遊びと、たたみかけるようなパンチラインの奔流。生と死の両極に振り切れて乱反射する、高校生たちのモノローグ。第59回文藝賞受賞作。
著者等紹介
日比野コレコ[ヒビノコレコ]
2003年、奈良県生まれ。2022年、「ビューティフルからビューティフルへ」で第五九回文藝賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
96
独特のリズム感を持った文章だなと思いました。ピタリはまるときもあるけれどリズムに乗れないときは、しんどい。それでも新しい感覚につて行こうと一生懸命読みました。私の世代では中沢けいさん、少し後の世代では綿矢りささん。いくつになっても新しい感覚はワクワクさせてくれます。2022/12/18
いっち
70
作者が18歳と聞くと、ああ若い感性で書かれた小説ね、と思ってしまう。よくない先入観。早計だった。言葉の引き出しが凄まじい。著者は受賞対談で、図書館で「家族四人分のカードを使って、八十冊分くらい借りていました」と言う。若い感性で書かれたのではなくて、膨大な読書量に裏付けされた感覚で書いてるんだと思った。現代の日本の好きな作家として、乗代さんだけ挙げるのに好感を持てる。すごいと思う人の書いた本は、意味を読み取りたいと思ってしまう。なぜ、「ビューティフルからビューティフルへ」なんだろう。わからない。面白かった。2023/09/10
りぃぃ
41
さらっと読めたけど、分かったのか分からなかったのかも、良く分からない。とにかく若い感性に触れられて、刺激になりました?2023/03/26
ぽてち
41
うーん、衝撃的にわからん作品だった。高校3年生のナナ、静、ビルEの3人の視点で話は進む。とは言え、ただ彼ら3人の周囲で起こっているワイワイガヤガヤを書いているだけで、取り立ててストーリーらしきものはない。著者の日比野さんは2003年生まれだから、これを書いたときは彼ら3人と同じ状況だったのか。言語感覚はすごいなと思った。これまで読んだことのない比喩や擬音がわんさか出てくる。……純文学で、わけわかんなくて、言語感覚がすごいって、あの人やこの人もそうだったよな。この作家、将来やばいかも。第59回文藝賞受賞作。2022/12/07
万葉語り
40
うーん、よくわからん。日本語なのに何を言いたいのかまるで入ってこない。Twitterとか、インスタとかやってないのでこの感覚についていけない。2023-482023/04/07