出版社内容情報
横山 拓也[ヨコヤマ タクヤ]
著・文・その他
内容説明
妻の妊娠と、母の再入院。正解のない問いの果てに辿りついた答えとは?2つの命をめぐる葛藤を軽やかに綴った、感動の家族小説。
著者等紹介
横山拓也[ヨコヤマタクヤ]
1977年生まれ。大阪府出身。劇作家、演出家、演劇ユニットiaku代表。2009年『エダニク』で第15回日本劇作家協会新人戯曲賞受賞。13年『人の気も知らないで』で第1回せんだい短編戯曲賞大賞受賞。17年吹田市文化功労者表彰、『ハイツブリが飛ぶのを』の脚本で第72回文化庁芸術祭賞新人賞“関西”受賞、18年咲くやこの花賞(大阪市)文芸その他部門受賞。演劇界の次世代を担う新進作家として注目されている。『わがままな選択』が初の小説となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そら
75
図書館の新刊の中からたまたま手に取った本。ページ数が少なく、何が『わがままな選択』なのかが分からないまま読み始める。稼ぎの良い妻と円満に暮らす夫婦は子供を持たない約束をしていたのに妊娠が発覚する。手術で病魔を克服したかと思いきや、命に関わることとなり延命を希望しない母。それぞれが自分の人生に対して『こうでありたい』と選択することはわがままなのだろうか?新たな命と消えゆく命。少子高齢化と家族との対話を考え、私ならどうするだろう?とふと思った。選択は、結局当事者にしか出来ない。と言うことで、バイにゃー。2022/10/09
sayuri
71
最後まで登場人物に共感出来ずもやっとした物が残った。「子供はつくらない」と決めている立河沙都子。子を持つのも持たないのも、その人の人生。自分が決めれば良いと思う。けれど予期せぬ妊娠。夫は父親になりたいと願い二人の話し合いは平行線。妻が子供を持ちたくない理由に悶々とする。夫婦の形も色々あって、正解なんてないとは思うものの彼女に「わがまま」を感じてしまう。そこまで意思が固いのならば何故避妊を徹底しなかったの?とも。ラジオパーソナリティを仕事にし、リスナーの相談に乗る沙都子だが、私ならこの人には相談したくない。2022/09/03
どぶねずみ
45
著者の書いた舞台『多重露光』を鑑賞したので、他の作品を読んでみたくなった。著者は家族の暗い部分を表現するのが得意のようで、舞台パンフレットにも親からの呪縛についての解説があった。自分の人生は自分で決めるものだけど、どうしても子どもは親からの影響なしに成長はできない。親からの洗脳や呪縛があっても親は唯一無二の存在だが、子どもは親を選べない。自分が子どもを持たなかった理由に似ているかな。2023/10/10
R
44
共感しづらい主人公の話で、なかなか入り込めなかった。独特の文体の会話劇だと思ったら、作者が劇作家の人だそうで、そういう脚本のようだと思ったら納得。難しいテーマで、誰が正しいとかいうのではないのはわかってるんだが、それぞれの主張が一方的で、それ故にわがままと題されるんだろうけども、なんだか読んでて疲れてしまった。最終的に明るい感じで終わったような会話なんだけども、まったく共感できないのが、狙ったオチなのか、自分が読めてないだけなのかわからなかった。2022/11/07
けえこ
20
初読の作家さん。 自作の戯曲を元ネタにノベライズ。 重篤な病気の高齢母、息子は二人とも配偶者はいても子供はおらず…。まるで近い親戚の話を聞いているような。 「宝物は人それぞれ。宝物の見つけ方も人それぞれ。」2023/09/06
-
- 和書
- 名探偵のままでいて