出版社内容情報
食べものと、それにまつわる人間を見事に描いた珠玉作品を厳選収録。「寺内貫太郎一家 2」から単行本未収録脚本も一本併録。
内容説明
舌の記憶、食べる人、鮮やかなシーン、到来物・土地の味の四章からなる二十六篇のエッセイと「寺内貫太郎一家2」よりシナリオ一篇を収録。
目次
舌の記憶(昔カレー;昆布石鹸 ほか)
食べる人(拾う人;いちじく ほか)
鮮やかなシーン(父の詫び状;ごはん ほか)
到来物・土地の味(メロン;寸劇 ほか)
シナリオ 寺内貫太郎一家2より 第三回
著者等紹介
向田邦子[ムコウダクニコ]
1929年東京生まれ。実践女子専門学校国語科卒業。映画雑誌編集記者を経て放送作家となりラジオ・テレビで活躍。代表作に「七人の孫」「だいこんの花」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」「隣りの女」など。1980年初めての短篇小説「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第83回直木賞を受賞し作家生活に入る。1981年8月飛行機事故で急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とん大西
135
やはり向田邦子はいいよねぇ…と思います。例えばサザンのアルバムを聴いてるような。どストライクの曲は勿論、そうでないのも耳に心地よく体に溶けていくような。麗しい日本語と軽妙洒脱な文体が心地よく沁み、癒されるように読まされてしまいます。食いしん坊なエピソードは1話あたり10頁前後の超ショート。でも、どれも洒落が効いてて小粋で小気味よい。水羊羹の蘊蓄や東京大空襲時直後の昼飯の話、来客との贈答品をめぐる社交寸劇などなど。苦笑、微笑、ジンワリ…と、あの手この手で読み手を魅了。心ニクい限りです。2021/09/13
シャコタンブルー
69
向田作品はベスト・エッセイに続く2冊目の読了。「父の詫び状」と「ごはん」は2冊ともに掲載されているので、2回目の読書となったが何度読んでも素晴らしい。この先、ずっと100年200年先も読み継がれて欲しい。「メロン」の子供達のはしゃぐ姿が目に浮かぶ。メロンは今も昔も果物の王様だろう。以前、夕張メロンをいただき大変美味しかった記憶もあるが、家族で北海道旅行の富良野で「サンタのヒゲ」の半分に切ったメロンの大きさと真ん中のアイスクリームの旨さに感激した記憶には勝てない。誰と何処で食べたかも旨さのバロメーターかも。2021/10/19
ゆきち
68
食いしん坊って幸せになれるなと思える本書。どの話も楽しくて、笑いが溢れたり、胸が温かくなったり、おなかが空いたりと心が忙しいことがとても楽しかった。『ツルチック』『続・ツルチック』を読んでびっくりした。お父さまが飲ませてくれたツルチックについて雑誌に掲載したところ、たくさんの読者からひっきりなしに電話やお手紙あり、ツルチックの話を聞かせてくれたとこと。向田さんと知り合いのように長電話をできるなんてすごい時代なのか…いや、向田さんのお人柄なのだろうと心が温かくなった。寺内貫太郎一家2のシナリオも面白かった。2022/12/25
優希
41
食べ物にまつわるエッセイでした。向田さんの食べ物の描き方は本当に美味しそうです。何度もお腹がなりそうになりました。巻末の『寺内貫太郎一家』のシナリオはいらなかったと思います。2023/10/15
ドナルド@灯れ松明の火
32
やっぱり向田さんのエッセイは上手だと改めて感心してしまった。既読エッセイもあったが何度読んでも素晴らしい。 お薦め2021/09/21
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