出版社内容情報
都会の片隅で生きる人々の切なく苦味に満ちた人生。その一瞬に秘められた「真実」を描く13篇、佐々木譲が贈る渾身の人間ドラマ。
内容説明
本番当日に失踪した舞台女優と数年ぶりに再会した脚本家の心に去来したもの(「不在の百合」)。かつての仕事仲間の訃報を私に告げた、意外な人物(「隠したこと」)。自堕落な生活を続ける後輩との会食で、私がとったある行動(「反復」)…。都会の片隅で生きる人々の埋もれた「真実」が明かされるとき、過去の重みが忍び寄る。佐々木譲が贈る渾身の人間ドラマ、全13篇。
著者等紹介
佐々木譲[ササキジョウ]
1950年北海道生れ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、2010年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
249
佐々木 譲は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の新境地でしょうか? ノンミステリのショート・ストーリー集でした。著者が本書の表紙や掲載されている写真を撮影しているとは思いませんでした。オススメは、『リコレクション』&『分別上手』&『三月の雪』の3本です。2020/09/16
いつでも母さん
169
タイトル作が巻頭の短編13作。「降るがいい。降り続けばいい。」全てを覆いつくして融けないようにって思いたいこともあるよね。好みは『分別上手』『終わる日々』短編もいいけれど、ガッツリ長編で警察小説を所望したい。2020/09/14
タイ子
109
13作品の短編集。あとがきを読むといくつかの作品は朗読会用に書いたので短くなっているそうです。事件や警察関係は出てきません。初めは単純な内容だなぁって思いながら読むうち、それぞれの作品に登場する人々の埋もれていた過去がいろんな形で現れてきて謎が解かれるようにストンと落ちるのが何だか小気味よくサクサクと読めました。「遺影」で女のコワさ、「分別上手」で女の賢さを読んで思わずクスリと。苦味と渋みに満ちた大人の小説かもしれない。2020/10/04
ゆみねこ
84
ちょっとほろ苦い13の短編。75歳のマンション清掃の女性の物語「分別上手」、思わずニヤリ。コロナ禍の最中に書き下ろした「三月の雪」「終わる日々」が良かったです。2020/09/22
雅
79
大人の苦味が描かれた短編集。ハードボイルドな空気が感じられて個人的には好きです2020/10/11
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