出版社内容情報
著者の膨大な蔵書から、小説やアート、「食いしん坊に贈る100冊」など愛読書と本をめぐるエッセイを紹介。他に単行本未収録作品。
内容説明
生誕90年、今はじめて触れる原点!脚本、エッセイ・小説の糧となった本や、食いしん坊に贈る本など、小説、辞典、料理、旅、猫…のこされた中から見えてくるもの。本をめぐるエッセイと、単行本未収録エッセイ・対談、多数収録。
目次
本棚1 脚本、エッセイ・小説の糧となった蔵書(同時代小説;惚れ込んだ野呂邦暢作品 ほか)
本棚2 食いしん坊蔵書―向田邦子が選んだ食の本(食いしん坊に贈る一〇〇冊の本;おそうざい十二カ月 ほか)
単行本未収録エッセイ(声なき声が語る 男の告白;書評 酒呑みのまよい箸 ほか)
本棚3 好きなもの蔵書―旅と猫、動物の本(旅;読んで旅した海外 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
96
向田邦子さんの本棚の写真が載っていた。広いジャンルの本を読まれていたようだ。何気ない日常生活を端正に書かれる向田さんはすごい読書家だったことがわかる。エピソードの中に海外旅行に行く時でも数冊の本を持って行ったそうだ。そのまま置いて帰ってもいいと思いつつ、やっぱり持って帰ると書かれていた。読書家らしい方だと思った。仕事で出張した時は週刊誌を買ってよく読んでいた、これはそのまま置いて買ったが。本棚の中を観察していたら植草甚一の「映画だけしか頭になかった」やビリーホリディの本などもあってなんだか嬉しかった。2025/06/11
榊原 香織
84
最近、向田女史が流行ってる気がする。 実践女子大学図書館に寄贈された本を中心に。 対談、ドラマ撮影の内輪話が面白かった、が、最後冗談で、梅干しのお粥と鰹節がいい、じゃ御仏前に、と言った3か月後にあの飛行機事故。 対談相手が青ざめたのが目に浮かぶよう2021/10/17
アキ
83
向田邦子初読み。対談が滅法面白い。外連味のない、さばけた人だったんですね。ドラマは見ておりませんでしたが、この人のシナリオなら面白そう。特に「源氏物語」どんなドラマだったんだろう?突然主をなくした本棚は、リビングと共に鹿児島の近代文学舘に展示されており、母校の実践女子大学渋谷キャンパスにも向田邦子文庫展示室があり、今でも帰りを待つかのよう。本・食・旅・猫が好きな彼女の蔵書を覗き見した感じの本。直木賞受賞の翌年の52歳で台湾旅行中に航空機事故で逝去。いつだって死は誰にも平等に思いがけず訪れるものなのですね。2020/02/05
国士舘大学そっくりおじさん・寺
70
この表紙の写真の向田さんがカッコイイ。他人様の本棚を見るのは楽しい。向田邦子みたいな有名人ならなお楽しい。向田さんが野呂邦暢の歴史小説をドラマにしているとは知らなかった。私も読もう。倉本聰のポルトレが素敵だ。合間に挟まるエッセイや対談も達者なものだが、お父さんがたまにお母さんに手を上げる方だったそうだ。そんな事を仕方がないかのように語る向田さん。情け深いとも言えるが、私も『あ・うん』で夫が妻を殴るシーンを読んで違和感を覚えた。すでに時代とモラルが向田文学を乗り越え始めた。それでも残したい美があるのだが。2019/12/16
よこたん
58
“読書は、開く前も読んでいる最中もいい気持ちだが、私は読んでいる途中、あるいは読み終わってから、ぼんやりするのが好きだ。砂地に水がしみ通るように、体のなかになにかがひろがってゆくようで、「幸福」とはこれをいうのかと思うことがある。” なかなか言葉に表わせないことを、向田さんはさらりと記してしまわれる。好きなのは食いしん坊蔵書100冊の章。年季の入った本が並ぶ。年季の入った本しか並ばないさみしさがある。きりりとした味わいのなかに、まろやかな旨みと香りのひろがる、お醤油のような文章を書かれていた方だと感じた。2021/08/24
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