出版社内容情報
「何もしない人が生きてたっていいんじゃない?」から始まった前代未聞の人材派遣。豊かなエピソードを交え、新しい生き方を考える。
内容説明
大人こそ、自由に生きていいんじゃないだろうか。謝罪の見守り、お見舞い、離婚届提出の同行、ただ話を聞いてほしい…かくもユニーク、かつ切実な依頼の数々を通して新しい生きかたを探る、驚きに満ちた思索の書。
目次
1 なんもしない―ミッションは、ただ一人分の存在を差し出すこと
2 個性を出さない―自分らしくあろうとする必要はない
3 距離を縮めない―それでも孤立させない
4 お金に縛られない―人間関係はコスパで測れるか
5 AIに対抗しない―有能であろうとしない
とある日の、レンタルなんもしない人。
著者等紹介
レンタルなんもしない人[レンタルナンモシナイヒト]
1983年生まれ。大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻修了。出版社勤務を経てフリーランスのライターに。現在は「レンタルなんもしない人」の活動に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
116
図書館本。なにもしない人をレンタルするシステム。しかも無料で。ちゃんとレンタルされる前後の考えが面白い。他人以上友達未満という立ち位置をキープしてて結構なんもしないというのは難しいなあと。夢を語る人が嫌いというところも共感。2019/10/02
ホークス
48
2019年刊。本を読みドラマも観て、著者の生き方を見守りたいと思った。「ごく簡単なうけこたえ以外なんもできかねます」という条件で、一人の存在を提供する。ただ居て欲しい、手料理を食べて欲しいなど様々な需要がある。何かがしんどい依頼者が多い。他人を支配したい欲望で自身をも圧迫し、誰もが疲れ果てているのだろう。強者も弱者も男も女も老人も若者も違わない。著者はその渡世から転げ落ち、色々失いながら生き延びているようだ。人間を獣だと思っている私にさえ、人間らしく見える。試みと考察の続きをツイッターで触れていようと思う2022/02/05
ニャンゴロウ
48
いろいろな頼み事があるんだなあとしみじみ感動。友情のくだりや最後の赤ちゃんの話は共感できないけれど、誰かのお役にたっているのは確かで、その発想が素晴らしい。そして彼でなければ出来ないことだと思う。素直に尊敬。2019/07/15
hatayan
42
NHKの「ドキュメント72時間」で知った人。 一人だと重い腰が上がらないとき。友達に頼んで借りを作るのが嫌なとき。コンピュータにできて当たり前のことを、あえて人間にしてもらうことで愛おしさを覚えたいときに。依頼者は20~30代の女性が多数。友達代行のサービスとはまた違って、スペックゼロの自分を差し出すこと筋の通った哲学のようなものを感じました。 著者は妻子ある身で貯金を切り崩して生活。読後にTwitterを読むと、妻と別居することになったとのこと。宿泊を伴う依頼も引き受けられるようになったそうです。2019/08/16
ばんだねいっぺい
35
うーむ、誰でもなれるわけではない「レンタルなんにもしない人」。自分とはどうあるべきかをTwitterで交流しながら常に考えなくてはならないのだ。それにしても、ナイトスクープ的なファニーなものから、結構、深刻なものまで、「解決するスタンスじゃない赤の他人」が必要な場合って、あるよなぁと認識した。活躍を願います。トリダードトバコを断る理由に感心した。2019/12/14