出版社内容情報
クィーン・メリー号が姿を消した。ボーイの三千夫は、長良川博士とともに、高度文明を築く海底大陸の海底超人と遭遇、その運命は!?
海野 十三[ウンノジュウザ]
著・文・その他
内容説明
豪華客船はどこに消えたか?アトランティス大陸の末裔の海底超人を同じ人間としてとらえる眼差しが、戦時下をしのばせるとともに今日的でもある、日本SF鼻祖の先駆的傑作!
著者等紹介
海野十三[ウンノジュウザ]
1897年、徳島県生まれ。本名・佐野昌一。SF作家、推理小説作家。日本SFの草分け。早稲田大学理工学部卒業後、電気試験所に勤め無線電信の技術開発に従事しつつ、科学記事を多数執筆。1928年、『新青年』に「電気風呂の怪死事件」を発表しデビュー。1937年には探偵小説誌『シュピオ』を共同創刊。戦中は科学軍事小説を量産した。1949年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
58
河出書房のレトロ図書館。「地底大陸」の次は「海底大陸」。アトランティスの海底超人と人間のコンタクト。海底超人から見た人間の描写があったり、なぜ海底超人が誕生したかを科学的に論じていたり、楽しい作品。この時代にも、平和的解決を目指そうとするSFがあったんだなぁ。2018/12/08
そうたそ
25
★★☆☆☆ 蘭郁二郎「地底大陸」を復刊してくれたかと思いきや、今度はこの「海底大陸」まで。河出書房新社には全く頭が上がらない。日本SFの黎明期に当たる時期に書かれたこの作品はもはや古典といって過言ではないかと思う。「子供の科学」に発表されたジュブナイルであるが故に簡潔にして明快なストーリーが魅力であるが、今読んでも面白い話かと言われると、正直頷きにくい部分はある。当時と比べて科学の発展著しい現代では、荒唐無稽・陳腐に思えてしまう部分があるのは致し方ないだろう。今となっては古典と捉えて読むべきなのかな、と。2019/01/02
Tadashi_N
20
戦前にこのような作品があることに驚いた。多少の国威発揚があるが。2022/02/12
ぴかりん
12
Kindleにて。SFジュブナイルって感じなのかな。巨大豪華客船が行方不明になって、少年ひとりが見つかって、海底人が出現して、人類と戦争の危機が…というお話。海野十三の書くSFは小難しくなく読みやすい。面白かったです。2019/01/29
Sakie
10
レトロ図書館と銘打った装丁に惹かれて。少年向けSF、連載されたのは昭和14年と太平洋戦争直前だ。ニューヨークからフランスへ向かうイギリスの豪華客船に、日本人の少年がボーイとして勤務している至って平和なシーンから始まる。そこに『水母に目玉をつけたような』海底人との接触が起きるのだが、生き延びるためとはいえ、目玉の出たクラゲには噛みつきたくない! 『やはり貴下は日本人ですなあ、感心いたしました』というくすぐりとか、日本人が東洋王道主義や正義を主張して正しい側で在ろうとする辺り、時代の空気ではあっただろう。2024/05/21