出版社内容情報
源義経が千年の時を超え自らの物語を語る! 兄頼朝との対立、恋人静との西国落ち…古典『義経記』が現代に甦る、抱腹絶倒の第2巻。
町田 康[マチダ コウ]
著・文・その他
内容説明
兄頼朝との対面&対立、恋人静との逃避行。源義経本人が語る、源氏千年の祈り。抱腹絶倒の超大河小説。
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
1962年大阪府生まれ。作家、歌手。1996年に発表した初小説「くっすん大黒」で1997年にドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞、2000年「きれぎれ」で芥川賞、2001年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『告白』で谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
222
町田康はマイブームの作家です。2年前に読んだ第1巻に続いて第2巻です。多少中弛み感はありますが、相変らずの面白さ、2年後?の第3巻(最終巻?)に向けて、クライマックスがどうなるか大変楽しみです。源頼朝の顔はそんなに大きかったのでしょうか?(笑)2018/08/03
ケイ
143
義経や弁慶の最期は周知の通り。頼朝に睨まれたからはどうしても次第に劣勢になる。襲ってくる者達を追い払っても、また次が来る。勝ち切りたくても、相手の大将を殺せばとがにとわれるから、そういう訳にも行かない。義経の言うことがだんだん強がりにも思えてくる。忠誠を誓った周りの者達は、戦で少しずつ減っていく。つらいなあ。弁慶、頑張れ。義経、頑張れ。静御膳、頑張れ。2019/04/14
ゆいまある
125
前作では平家打倒に燃えて盛り上がっていたのに、義経が平家を倒して海に沈めるまでは丸ごとカット。平家物語を読んでね、と。その後登場人物も一気に増えるのでマジ平家物語読まないとついて行けない。3が出るまでには読まないと。土佐坊正尊が攻めてきて倒すエピソードがメイン。既に頼朝とは決裂してて、ここから先は悲劇しか待ってない予感。その後は戦に出て、静御前と吉野で泣く泣く別れるまで。娘に静御前がその後どうなるかネタバレされて(教科書に載ってますと言われた)もうめちゃめちゃ悲しい。ギケイキってこんな悲しい話なのか。2020/07/26
ちゃちゃ
116
兄頼朝を慕いながらも疎まれる義経。今作は涙の対面から一転して頼朝の拒絶に合う。義経の政治力に怯える頼朝。解けぬ誤解。絶望の淵に沈みながら、義経が物語るのはいったい何か。喜三太、片岡、弁慶など個性的な従臣たちの超人的な奮闘にもかかわらず、まさかの都落ちで吉野へ。戦乱の世に生きた義経の向かう先は、やはり「奈落」なのか。相変わらずの町田節は健在で、突き抜けたぶっ飛び訳が続くが、「戦闘について語るなんて退屈なことさ」(えっマジっすか?)埋められない深い虚無感と孤独感が漂い始める。本作は身籠もった静との別れまで。2019/03/05
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
113
前書『ギケイキ』が面白すぎたので、本書『ギケイキ②』。歴史小説では普通あり得ないぶっ飛んだ会話や表現は健在で、真面目なイメージとのギャップが刺激的で楽しめた。まあ、続編ということで、読者もそれなりに構えていた分インパクトに欠けるところはあったかもしれませんが、それを差し引いても、これまでとは少し違った視点から義経を振り返ることができるという意味では、ある意味、良作と言えるのかもしれません。2019/07/21