出版社内容情報
色覚異常に見舞われた気鋭のカメラマン海咲は、父の死の真相をつかみ、立ち直れるのか? 作家・映画監督の著者がおくる感動の物語。
源 孝志[ミナモト タカシ]
著・文・その他
内容説明
本当に美しいものは、目には見えないのです―「色彩の女王」として注目を浴びるファッションフォトグラファー立花海咲。突如発症した「錐体ジストロフィー」という難病の色覚障害が、夢のような成功から彼女を転落させた。仕事も恋人もプライドも失った海咲が選んだ道は、震災に見舞われた故郷・熊本の天草に帰ること―16年前、故郷も家族も捨てた海咲を天草は優しく迎え入れてくれた。親友、恩師、絶縁状態の母や妹、憎み続けた義理の父との再会によって、海咲の中で何かが少しずつ変わっていく。そして、20年前に海で死んだ実の父の秘密が明らかになっていくが…はたして、海咲が最後に見つけた「この世で一番美しい色」とは?
著者等紹介
源孝志[ミナモトタカシ]
1961年生まれ。立命館大学卒業後ホリプロに入社。CMやTVの制作を経てフリーの演出家・脚本家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろさん
16
源孝志さんの本なので、期待して読んだけれどその期待を上回る感動をいただきました。世界的ブランドのカメラマンとして活躍している海咲は、仕事上での色のトラブルから自分の目の異常を知ることになる。「色彩のディーバ」と呼ばれた人がその色彩を失う怖さは想像するだけでも身がすくみます。行き場を失った彼女は16年関係を経っていた家族の住む熊本県天草へ。過去と向き合いこれからの人生を思う「絶望と再生」の物語。私が夏に訪れた長崎の教会で見た謹厳で温かく静謐な雰囲気を思い出しながら読了しました。是非ドラマ化を!2023/12/23
パパんつ
9
「色彩のDIVA」として活躍している売れっ子ファッションフォトグラファーの海咲(みさき)が、色覚障害で色を失っていく話。 ホント素晴らしいです❗ 色鮮やかな描写が全体に散りばめられ、想像しながらじっくり読み進められます。 そして恩師の名言が心に染みます。 「本当に美しいものは、目には見えないのです。心で見るものです。」 「たまには自分の立っている場所をしげしげと見つめてみるのも悪くなか。」 何度も読み返してみたくなる本です。 THE SxPLAYというアーティストが歌うインスパイアソングもいい🎵2021/02/06
しん君
8
以前から訪れたいと思っている熊本県天草の﨑津集落(世界文化遺産)が舞台。著名なカメラマンが色覚を失う眼病を発症。失意のなか16年ぶりに地元に帰ってきた立花海咲(34)。二度と戻るまいと決めていた故郷で過ごすうちに、光が差してくるみたいな…。拝読のきっかけはドラマ(2025年1月放送開始)。脚本・演出も著者であり楽しみ。2024/10/28
みっきー
5
美術や写真、天草の風景、病気を受け入れていく姿、家族の愛などすべてがよかった。2022/06/21
sattin
5
意外なほど面白い本だった。文章も巧みだし、丁寧な話展開でした。さすがにドラマの原作者だなと思う。ドラマ化もいいんじゃないかな2018/10/05