内容説明
小説、漫画、エッセイ、歌集…目利きの歌人が魅惑された本の数々。「私の読書道」特別掲載。
目次
1(その凄さ海のよう―山岸凉子『日出処の天子』;思春期最強のバイブル―倉橋由美子『聖少女』;かっこいい部屋―木内昇『新・東京の仕事場』;物語のない時代―桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』;桃太郎の桃の運命―内田百〓「桃太郎」 ほか)
2(これは一体何なのだ―川上弘美『物語が、始まる』;「時間」が見える人―本上まなみ『ほんじょの鉛筆日和。』;孤独のひかり―本田瑞穂『すばらしい日々』;転校生登場―四元康祐『四元康祐詩集』;洞察観音―酒井順子『食のほそみち』 ほか)
著者等紹介
穂村弘[ホムラヒロシ]
1962年、北海道札幌市生まれ。歌人。2008年、『短歌の友人』で第19回伊藤整文学賞、「楽しい一日」で第44回短歌研究賞、2017年、『鳥肌が』で第33回講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
113
穂村さんの本はあまり読んだことがなく(短歌の本が多いので)、ラジオでお声を聴いていたのがこのような本が2冊出ている(書評と読書日記)ので読んでみました。文学関係が多いのですがコミックもあったりしてしかもラジオで聞いている感じのままここに書評が述べられています。ですので読みやすくまた興味を惹くような感じの内容紹介で読みたくなる本が結構ありました。2020/12/31
♪みどりpiyopiyo♪
63
穂村さんの読書日記に続いて 書評集を読みました。■この人に親しみを覚える理由が この本で改めて分かりました。世界に対するセンサーが多数派の人と違う事で湧き起こる違和感。実社会の、意味の世界からはみ出してしまう自己。自分(私)が感じているのと同じようなズレ方をしている他の人(ほむほむ)が、自分が持て余している違和感を自在な言葉で展開してくれるのことの希望。■「魂の逸脱は、種の未来に対応するための準備ではないか」は、私も常々考えていました。オルタナティブ、もうひとつの道。(初出 1999年〜2017年)(→続2018/01/18
mizuki
58
言葉の感覚を大切にする、穂村弘さんの書評集は、とても面白く読めました!わたしの好きな作家さんや作品のことを高評価しているのを読むと、くすぐったいような気持ちになりました♡ 穂村さんが目にする日常や、ちょっとした出来事、その時の感情にあう言葉を探すセンサーみたいなものが敏感で、けれど誰にでもわかる言葉を使おうとしているところが良いなぁ〜と。読書日記の方も図書館に予約中なので、読むのが楽しみです♡2018/03/18
あじ
53
【世界音痴】な歌人、穂村弘の読書日記。前半は自らが選書した本を。後半は文庫解説をまとめている。跳んで慌てて恐れて、感情にブレーキを踏まない穂村さんが、スピード違反を性懲りもなく繰り返す。“あとがき”の忍者は道路交通法違反でしょ、切符を切らせて頂きますよ。川上弘美、酒井順子、俵万智の頁が秀逸。◆装画の女性が奥歯さんかしら。◆同時刊行の書評集に「きっとあの人は眠っているんだよ」がある。★3.22017/12/27
アーちゃん
40
図書館本。先に読んだ「きっとあの人は眠っているんだよ」が読書日記だったのに対し、こちらは書評集と公的な意味合いが強いためか(ほむほむにしては)やや硬い文が多いような気がしましたが、言葉を駆使して本の特徴をしっかりと出しているのは流石。初出が1999~2016年と幅広く、発表も新聞から文庫の解説とさまざまなのに気にせず読めるほむほむ本です。2018/03/31