内容説明
帝国の水軍に不慣れな海戦を挑み、大敗を喫したこの戦、何のための戦争だったのか?古代史の謎に迫る暉身の書き下ろし。
著者等紹介
三田誠広[ミタマサヒロ]
1948年、大阪生まれ。早稲田大学文学部卒業。1977年、『僕って何』を「文藝」に発表し、芥川賞受賞。以後、小説、評論、エッセイと幅広く活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aloha0307
20
かなりの日本史好きではあるが、専門書ならこの分量はキツいな…but本書は天智天皇を軸とした物語であり(日本書紀の記述に沿ってはいる)、作者の豊潤な想像力に感服してしまう。663年 敗戦ながら、日本という国家の危機を何とか凌いだのは以下の要因だろう。①四方が海②紛いなりにも中央集権国家が成立していた③高句麗が当時まだ存続④唐の失政(則天武后) 天智天皇の最期はホント(暗殺)? これは知らなかったな...2017/11/12
Ayumi Katayama
19
白村江の戦い。歴史が全くだめな私は微塵も記憶に、ない。中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我入鹿を討つ。元号を大化と改め改革を施す。白村江の戦いはその後のことであり、百済を援護するために大陸半島の白村江に三万もの軍隊を送りこんだ。そして大敗した。天智天皇は勝てるはずのない白村江の戦いに何故に挑んだのか。2018/10/27
Book Lover Mr.Garakuta
13
【図書館本】【速読】:古代合戦浪漫小説。天智天皇の野望を描いたが、一寸無謀だと思うし、女性の方が確りしてるなと思った。幻聴の声によるとケッテンバレンな作品だそうだ。2021/12/17
虹色
12
中大兄皇子(天智天皇)が、唐からの侵略を考慮し強い国家統一を目指す。朝鮮半島三国のそれぞれの立場や、大陸と日本の繋がりなど時代背景が、詳しく書かれてあり読みやすかった。歴史に疎いのでどこまで史実なのかよく分からないが、当時の親子関係の希薄さ、濃厚さ、それに伴う同母弟(兄)、同母妹の関係や、子を宿している女性を賜ったことによる父子関係は複雑であるが興味深い。自分自身の知識のなさ故、白村江の戦いが「野望」なのか「無謀」「必然」だったのか上手く読み取れなかった。2018/03/18
kawa
10
飛鳥時代、天智天皇(中大大兄皇子)の生涯を描く。時の権力者蘇我氏の打倒に始まり、唐の侵入を防止するための朝鮮半島への出兵・白村江の敗戦、近江大津宮遷都と怒涛の古代史に圧倒される。それにしても、登場人物の多さと関係の複雑さ、難解な人名読みに苦戦。直前に新書「平城京遷都」を読んで、自分なりの関連系図を把握していたので読み通せたが、そうでなければ途中挫折の可能性大だったな。2017/09/02
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