出版社内容情報
箱館戦争で敗れ、森へ逃げ延びた八郎太。だが、そこには──全てを失い羆撃ちとなった男が、人として再生していく本格時代小説!
内容説明
箱館戦争で敗残兵となり、深手を負った元幕府遊撃隊士の奥平八郎太は、実の兄・喜一郎と膝を撃たれ重傷の本多佐吉とともに、蝦夷地の深い森へと落ち延びる。犬死しても意味はないと、兄を一人逃がした八郎太であったが、残された瀕死の二人を待っていたものは人外の脅威だった。意識を失っていた八郎太が、再び目を覚ましたとき、そこにあったのは口元から顎にかけて真っ赤に血で染めた漆黒の大ヒグマであった―
著者等紹介
経塚丸雄[キョウズカマルオ]
中央大学法学部を卒業後、脚本家として活躍。映画「連弾」(第25回城戸賞入選)、「鴨川ホルモー」「雲の学校」「THE LAST‐NARUTO THE MOVIE‐」などの作品を担当。時代小説『旗本金融道』シリーズ(双葉文庫)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みえ
38
箱館戦争で重症な状態で猟師に助けられ、反発しながらも生きるためにマタギになる道を選んだ八郎太。朝敵となって隠れるように生きる八郎太をいつか幸せになってほしいと願いながら読んだ。2017/11/15
剛腕伝説
10
幕軍の敗残兵・奥平八郎太は瀕死のところを猟師・十蔵夫婦に助けられる。十蔵を師に熊撃ち猟師となった八郎太と熊との息詰まる攻防が見もの。 熊撃ちの話は何でこんなに面白いんだろう。 あ、そう言えば大好きな久保俊治さんが去年なくなっていた事を今日知った。素敵な人だった。ご冥福を御祈り申し上げます。 2025/03/02
てつろう
7
幕末の幕府軍の生き残りが落ち武者として山に逃れ、猟師となって熊と戦っていく物語り。自分のふるさと函館から札幌を舞台として馴染み深い地名が多く出てきて懐かしかった。五稜郭の付近の中学校を出た自分には明治維新の祭りパレードにも出た記憶が蘇った。維新の新政府の服や白髪頭をして仮装したなぁ~2017/12/07
書の旅人
7
先日、親熊が人を襲い、その光景を見た子熊が、人を躊躇いなく襲う様になり、これまでされてきた、ラジオや鈴の音で避けるはずが、逆に居場所を知らせてしまう結果になるという話を聞きました。また、人が熊を見れば、無闇矢鱈と射殺することも、間違っているのではという説も聞きました。熊に限らず、私たちは生き物の命をもらって、生きています。「いただきます」とは、そのものたちへの感謝の祈りだったはず。捕るな、殺すなというのではありません。ただ欲の為だけに殺生をする考え方に、納得がいかないのです。来年から、私も畑を始めます。2017/11/16
うもたろう
0
対ヒグマの緊迫感はよかったですが、全体としては、うーん・・・。主人公、若いこともあり、感情移入はできずでした。2017/11/25
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